編集者メモ:本ブログは、Amazon Sellers Lawyerである知的財産会社のTravis J. Stockman氏によるゲストブログです。
Amazonのセラーが従うべき、いくつかの法律以上のヒントがあります。これらは、セラーのアカウント停止を避けるだけでなく、販売される商品の品質と均一性を確保するのにも役立ちます。
オンラインセラーにとって、Amazonのアカウントを運用することは、非常に時間がかかる面倒な作業です。それでも、多忙なスケジュールから時間を割いて、以下の予防措置をビジネスプロセスに組み込むことが極めて重要です。
あなたはAmazonで自社ブランド商品を販売していますか?その場合は、商品名やロゴを保護するために商標登録をすることが重要になります。商標とは、「生産者や販売者の商品を特定し、他の者の商品と区別し、出処を示すために商業上使用される言葉、名称、シンボル、デザイン、またはそれらの任意の組み合わせ」のことです。米国商標法15 U.S.C § 1127条
自社ブランドのAmazonセラーは、申請した商標が本質的に独自であることを保証する必要があります。つまり、他の商標とは異なっているということです。商標を独自なものにすると、米国特許商標庁 (USPTO)による承認の機会が増えます。承認された商標は承認前と比べて強力に保護されます。また、Amazonは商標権を活用できるように改善を加えたブランドゲーティング(ブランド審査)を適用する予定です。
商標を登録すると、Amazonセラーは自社の商標を守る負担から解放されます。さらに、誰かがその商標やロゴを使用した場合に法的救済措置が講じられます。
自社ブランドのAmazonセラーは、商標申請書を自分で作成するか、または当社のような知的財産法律事務所に依頼して、申請を代行することができます。どちらの方法でも、費用は比較的少額です。
独自の商品を発明して製造する自社ブランドなどのAmazonセラーは、特許を取得すべきです。それにより、限られた期間、他人がその発明を複製することを防止する排他的権利が得られます。
米国特許法35 U.S.C.A. § 112条によると、特許を申請するときに次の内容を含める必要があります。「発明、およびその発明を製造し使用する仕方や方法の説明を、その発明の属する技術分野または最も近い関係にある当事者であれば誰でもその発明を製造し、使用することができるように、十分に明瞭、簡潔かつ正確な用語で明細書を記載しなければならない、さらに、明細書には発明を成した発明者または共同発明者が最良と考える実施形態を記載しなければならない。」
特許を取得することで、許可されていない第三者のセラーが特許商品を複製して販売するのを防ぐことができます。また、特許権侵害の訴訟を起こすこともできるようになります。
Amazonは、Amazonセラーの真正性に関する苦情を受け取った場合、「販売権限を即座に一時停止するか、取り消しを行い、払い戻しなしに当社のフルフィルメントセンターにある在庫を破棄する」権利を留保する、としています。
認定ディストリビューターを活用し、商品の真正性を示す請求書を提供しているAmazonセラーは、通常、一時停止されてもアカウントの復活が可能です。商品の請求書を保管する期間は長くした方が良いでしょう。当法律事務所のほとんどの行動計画書には、請求書保管期間を365日と定めています。また、すべての領収書を保存しておくのも良いでしょう。毎週多くの一時停止アカウントを処理している当法律事務所として言えることは、Amazonは、いつでも、請求書の保存期間を365日以上に延長するようポリシーを変更できるということです。
Amazonのマーケットプレイスが日々成長するのと同じように、Amazonのポリシーも絶えず変更が加えられています。実際、Amazonセラーは、ポリシー変更通知の有無にかかわらず、変更内容を常に把握する必要があります。
多くのAmazonセラーは、Amazonのポリシーがどの程度の頻度で変更されているか気にもしていません。Amazonセラーが最も嫌うことは、知らずにいたポリシー変更によってアカウントが停止されていることに気付くことです。
たとえば数年前は、Amazonセラーは、割引価格を提供することによって好意的なフィードバックを促すことができました。現在はというと、Amazonはこれを「レビューの操作」と呼ぶ禁止された行為と見做してフラグ付けしているのです。Amazonのポリシーには、「レビューを操作しようとした場合や、他の方法でガイドラインに違反したと判断した場合、販売権限を即座に一時停止または取り消すと共に、レビュー、および関連製品の掲載を削除します。」と規定されています。
常にAmazonの最新ポリシーを確認しましょう、というのは単純な提言のように思えるかもしれませんが、セラーにとってポリシーの更新を時折見直すことは極めて重要なことです。自分自身を再教育し、スタッフに毎月Amazonポリシートレーニングセッションに必ず参加させることは、最新ポリシーに準拠したビジネスを維持する優れた方法です。Amazonのポリシーに関する詳細情報は、Amazonのポリシーと契約ページを参照してください。
Amazonセラーの中には、アカウント復活要請プロセスを自分で処理できると思っているセラーが数多くいます。しかし、一時停止されたセラーは、しばしば感情的な内容で要請しがちです。また、アカウントの問題を明確かつ説得力のある言葉で表現できないことがよくあります。一時停止されたAmazonセラーによって作成された行動計画書は、インド、アイルランド、またはコスタリカのAmazonセラーパフォーマンスチームが読んで直ちに復活理由が分かるような簡潔な書式ではないことが多いのです。
最初から、力強くて詳細で正確な行動計画書を提出することが極めて重要です。一時停止に対する最初の応答が適切でなかった場合、アカウントの復活要請のプロセスは長引き、時には販売の永久禁止に追い込まれる可能性もあります。
Amazonセラーは、常に知的財産権を保護し、商品の真正性を保証し、少なくとも1年間は請求書を保管し、常に最新のAmazonポリシーをフォローする必要があります。一時停止されたアカウントを復活要請する方法がわからない場合は、お気軽に法的支援を受けてください。