編集者メモ:本ブログは、KnowGlobalによるゲストブログです。
デジタル化が進む今日の世界において、国際的なコミュニケーションやトランザクションの流動性は想像以上に高まってきており、新たなグローバル市場でビジネスを展開することは容易になっています。つまり、自分がいる地理的な場所によってビジネスが制限されることはない、と気づいた者にだけ大きなチャンスが与えられるのです。一方で、国境を越えて足を踏み入れるビジネスには多くの課題が待ち構えまえていることも事実です。言語の翻訳や商品の発送、マーケティングなどの課題は誰の目にも明らかですが、気づきにくい課題もあります。ここでは、ビジネスをグローバルに展開する際の大きな課題と、それを克服するために準備すべき方法をご紹介します。
最初で最大の決断は、世界の約200か国のうち、どの国で越境活動を開始するかということです。また、1つの重要な市場だけに絞り込むか、複数市場でテストマーケティングするかも決断しなければなりません。ここで時間を割いて調査しておけば、競合が誰であるか、どの程度の需要があるか、そして市場へアクセスするチャネルの選択肢がどのようなものかを理解することができ、グローバル市場への展開の確かな基盤作りができます。
ECビジネスでは、既存のWebサイトをローカライズすることで世界中のターゲット市場に対応するか、あるいは世界中の何千ものオンラインマーケットプレイスを活用して、ターゲットの消費者に商品を提示するかを選択します。オンラインマーケットプレイスをいくつかあげると、TradeMe、Flipkart、NewEgg、Spartooなど、さらには、英国人のお気に入りの巨大なAmazon、eBayなど、選択肢は無限にあります。
税金とVAT(売上税)は、新しい市場に参入する際の、最初の(そして最もエキサイティングな)考慮点ではありませんが、短期的にも長期的にもコンプライアンスの義務を理解することが成功にとって極めて重要なのです。
ヨーロッパなど、VATが基本制度になっている市場を検討している場合は、各国間で大幅に異なるVAT登録が必要になる基準値(閾値)(£35,000〜£280,000の間)を理解することが重要です。VAT登録が遅れたために、高い罰金を支払うようなことにならないように、事前に計画的に対応することが求められます。
同様に、馴染みのない売上税制度がある市場を目指している場合は、販売する商品に対して売上税を徴収するべきかどうか、またその会計処理方法について理解しなければなりません。VAT/売上税の適用は当然のことながら価格戦略に影響を与えるため、常にクロスボーダー戦略全体の最前線として捉えるべきです。たとえば、英国の子ども服の小売業者は、売上高に対するVAT率は0%が当たり前になっていますが、同じ子ども服をフランスで販売すると、VATの標準率(現在20%)の対象となります。
市場の需要、競合、そしてコンピテンシーの調査を踏まえ、新しい市場での顧客の期待を理解し、それを満足させることが、グローバルビジネスの成功にとって不可欠です。マーケットプレイスをグローバル販売チャネルとして利用する場合は、守るべき最大配達日数の条件が課される場合があります。たとえば、Zalandoでの配達条件は3日以内と定められています。この調査をしっかりとすれば、ドロップシップピングで運用するのか、ローカルに在庫を保管することにより、さらに競争力のある方法を採るのか、運用方法の選択が可能になります。
***役立つヒント:購入者へ商品を出荷する際に適用される輸入関税および税金を理解することが非常に大切です。これがひいては、あなたの納税義務の理解につながるからです。購入者としては、注文した商品がお買い得品だと思っていたのに、受け取ってみたら高価な輸入関税が課せられていたら、とてもショックが大きいことでしょう。関税を支払って、または未払いのまま商品を配送するかどうかにかかわらず、商品の合計陸揚渡し価格を顧客に明確に伝えることは、越境ビジネスの成功にとって極めて重要です。
正しいノウハウを身に着け、良いパートナーと組むことが出来るならば、これらの課題は克服できないものではなく、新しい市場へ参入して得られる恩恵は想像以上のものになるはずです。国内市場の成長率は頭打ちになり、投資回収率は低下している中で、世界中の新規市場をターゲットにすれば、新たな販売チャネルを開きビジネスを成長させることができます。