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越境ECのCRM

靴の販売店ALDOの事例

ALDOは100カ国以上に2,000以上の店舗を持つ国際的なシューズチェーンです。

「顧客の期待は、彼らがどこにいるかにかかわらず、我々が彼らの行動や好みを知っていることです。」とCIOのLance Martelは述べています。

Aldoのウェブサイト上で靴を見ていると、店舗に入れば、Aldoのアプリはあなたが望むものを販売員に伝え、より速くそれらの靴を試すことができます。

Aldoアプリケーションは、購買率トップ層の顧客とのやりとりを管理し、選別された靴やプレリリースを紹介し、最善の顧客に特別な特典を提供します。

Aldoは、通信プラットフォーム間でも1対1の接続を目指しています。

AmazonのCRM

また誰もが知っているAmazon.comもCRMを追求し大きな成功を積み上げている企業の実例です。

1995年に創業以来Amazonの企業コンセプト=「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」、創業者ジェフ・ベゾスの理念=「顧客は常に正しい」を基に常に顧客のニーズを大量の顧客データから抽出し対応してきたため、2017年現在米国では9000万人がプライム会員に達したという快挙を報告しています。

お客様を大切にすることをするためにもお客様のことを知り、一対一のコミュニケーションをテクノロジーを通じて取っていく姿勢は本当に素晴らしいです。その結果が精緻なレコメンド機能を筆頭にしたCRM、もう少し大きくいうとアマゾン経済圏の快適さに繋がっているのだと感じます。

ソーシャルな時代だからこそCRMが当たり前に

どちらもグローバル企業でシステムの精度やデータ量も壮大な話に思えますが、CRM自体はどんな企業でも既存顧客に対してから試行できます。これまでのお客様ファイルの内容に加え、購入歴などお客様の好みや消費行動を詳細まで把握し、入力し、顧客データを作ります。ある程度のシステム化は必須にはなりますが、高額な費用をかけてCRMシステムを導入することで満足してはいけないのです。

このシステム化はあくまで「顧客中心」のマーケティングをはじめるためのツールであって、そのデータ量は企業によって様々でしょう。大事なことは、そこから何を読み取り、どう顧客と接点を見つけ、顧客に合わせたどのような提案できるか、そして顧客の信頼を得れるかということです。オンラインでもオフラインでもお客様が自分のことをわかってもらっているという感覚を得られることが、企業への安心や信頼につながるのです。

中小企業ではビッグデータの取得は難しいと思います。AIの活用がこれから進んでいく世の中でどうしていったら良いのか、まだ見えていない方もいらっしゃるかと思いますが、だからこそ中小企業は今までやってきたように目の前の1人1人を大事にして、狭くても深いお付き合いが出来ているかが大事になります。

越境ECにおけるCRMはテクノロジーの問題ではなく、心やあり方の問題になっていくと感じています。言葉がスムーズでは無い、文化や商習慣も違う。だからこそ分かり合う姿勢が大事なんだと思います。そこでお互いを尊重する姿勢があればお客様はファンになってくれますし、お店としてはCRMやAIという以上の関係性が作れます。

Mitsutoshi Murata

株式会社プリンシプル 代表取締役 船井総合研究所WEBコンサルティングチーム コンサルタント、チームリーダーを経て、2013年、株式会社プリンシプルを設立。メンズの総合セレクトショップ フリースピリッツ立上げ。2014年より越境EC事業を開始し、2016年、越境ECが全体の売上構成比20%に成長