越境ECを始める時には最低でも1人は専任がつかないといけません。そしてその専任をどのような立場の人、能力がある人にやってもらうかが一番大事です。
どれだけ良い商品があったとしても、越境ECの専任がいないとか、専任に意思決定権が無いとか、商売センスが無いということでは立ち行かなくなります。
越境ECの担当は【会社のエースを専任にする】が鉄則です。今までの会社でやってきたことと違うルールで動かないといけないことも多々出てきます。会社の中での立場が弱い人でしたら、会社内の調整、お客様サポート、などなど新しい基準や新しい動きを取らないといけないことが多いのです。それが出来るのはトップかエースです。
あとはそのエースを筆頭に出来れば後2人、越境ECに取り組む人がいてくれたら、まずはベースが作れると思います。組織としてはその3人体制で損益分岐まで到達させることが大事になります。
役割分担としては、エースは経営のことをします。事業計画の策定、数値計画の策定、商品企画、商品調達、キャッシュフロー計画などがメインになります。残りの2人のうち1人はマーケティングです。SEO、広告出稿、SNSの担当から競合調査、トレンド調査までを企画立案実施までします。最後の1人はサイト制作です。サイト制作、ページ作成、バナー作成などの制作業務全般です。それぞれ現地の人の心が分かる人や分かろうとする人が取り組むことが大事ですね。
基本的には越境ECを始める企業様は国内のECをされている方が多いと思いますので、基本的なパソコンやページ制作などをするためのソフトなどはお持ちだと思います。
越境ECだから必要なものというのはほとんどありませんが、物流関連は少し必要なものが変わってきます。
その代表ははかりです。重量で配送料金が変わりますし、引き渡しの時のシートに重量を記載しないといけません。本当にほとんど新しく調達しなければならない物は思いつきません。。
あとは銀行口座ですね!これはペイオニアを活用すればクリアになると思います。各国ごとに口座を持つとなると開設費用や維持コストがバカになりません。ペイオニアだとそこがスムーズかつコストも低く抑えられます。
お金がどのくらいかかるのかは新規事業をする上では重要なポイントになります。事業計画を組む時には予算も取らないといけないと思います。
基本的にどれだけ自社でやるのか、ということで初期費用は変わります。ほとんどを自社でやるなら各種カートやシステムを契約する時の初期費用くらいしかかかりません。これは10万円も見ておけば問題ないと思います。いろんなことを他社に頼むとコストはグッと上がっていきます。
まずはサイト制作です。これも自社サイトでしたら非常に大きなコストになります。最低でも100万円はかかると見ておいた方がいいでしょう。モールでしたら商品の登録、画像加工などですので、そこまでかからないかと思いますが、やはり50万円は見ておいた方がいいと思います。
次に翻訳系です。ページ数や文字量、そして人的に取り組むのか機械なのかによって変わりますが、やはり50万円くらいは見ておいた方がいいと思います。
あとは人件費ですね。3人いてオープンするまでに3ヶ月はかかると思いますので、毎月50〜100万円くらいは見ておいた方がいいと思います。
そうなると初期費用だけで500万円くらいはかかる算段になります。
次にランニングコストですが、人件費は一緒くらいかと思います。あとはカートやシステムも何個ショップを立ち上げるのかによりますが、5万円くらいはかかる見通しの方がいいと思います。
送料もバカになりませんが、目標を5〜7%設定にしておけばいいと思います。一番大きいのが販促費です。これも具体的な金額をお伝えするのは難しいですが、オープン当初は10%くらいはかかると見越しておいた方がいいと思います。
また決済手数料、売上手数料なども必要になってくると思われます。ですので、固定費で約100万円、変動費で20〜25%くらいはかかると思っておいた方がいいと思います。
費用の設計は少し多めに組んでおいた方がいいと思いますし、思わぬ出費はオープン当初はあると思いますので、ご注意ください。
越境ECの情報の集め方はやはり現地メディア、もしくは現地専門誌、もしくは現地のサイト、現地のサードパーティから得るようにしてください。
日本で情報を持っている人、日本語での情報よりも、現地発信の情報の方が有益ですし、スピードも速いと思います。
日本でECをやる時に日本のECを知っていそうな海外に住んでいる外国の方に聞くことは無いと思います。越境の場合に置き換えて考えて見てください。
経営とは人・物・金・情報を用意し、成し遂げたいことを実現することです。経営者の方はリソースを用意すること、現場の方々は経営者がリソースを用意していないのに結果を求めようとしないように注視することが大事です。
そしてリソースをご用意いただいたら、世界のスピードと同じくらいのスピード感でやり切ることです。そして成果を上げていってください。