日本にいながらも海外の方の購買意欲を目の当たりにすることが出来ると思います。東京や大阪、北海道、また局地的に海外の方が来る地域では日本人よりも多いのでは?というくらいのお客様が商品を購入しています。そしてインバウンド対策や海外の人をどう集客し、どう接客するのかで売り上げが大きく変わるお店も出ております。
そこで思うことはこのインバウンドで売れている商品はアウトバウンドで売れるのか?ということです。日本のドラッグストアで売れているようなものや家電製品、ベビー用品などはそのまま越境ECで売れるのでしょうか?
もちろん商品によりますが、という注釈が付いてしまいますが、インバウンド客に売れている商品が越境ECでも売れやすいことは確かです。
これは越境ECが売れるかどうかの一番のポイントである【商品選定・商品企画】をクリアしているからです。商品のニーズが顕在化しているので、これらインバウンドで購入している商品はアウトバウンドでは売れます。
送料という問題。これが第一に挙げられます。越境ECは個配で購入者の家まで届く形ですが、1つ1つに送料がかかってしまい、これが時には商品代金以上にかかってしまうことがあります。
例えば2000円の商品を購入された場合、重量と地域によりますが、同等の送料がかかり、結局4000円の商品を購入するのと同じ費用がかかってしまいます。
越境ECでターゲットにする国の倉庫にまとめて送って置いておくとか、日本の倉庫に送って、共同配送をしてもらって、ターゲット国でまた個配をしてもらうという形もありますが、納期の問題や融通の問題でやはり課題が残ります。
結局、送料という問題が一番インバウンドとアウトバウンドの連動を妨げる要因になっています。インバウンドの時点で顧客との継続的な繋がりが持てるようにSNSを活用し、継続的な繋がりの中で送料を払ってでも購入したい、と思わせるような商品を提案していくことが大事になります。
次に挙げられるのがメーカーやライセンスの問題です。これはこれから非常に大きな問題になっていくと考えられます。
現時点でも日本での販売は可能だが、海外での販売は各国の代理店との兼ね合いやライセンスの問題で販売できない商品が多数存在します。
またこれから越境ECのライフサイクルが進んで来ると、さらにこの動きが加速していくと考えられます。今まで越境ECに取り組んでこなかった強い中小企業や中堅企業が自社で越境ECに取り組み始めたり、海外の販売代理店に海外の販売を任せるようになると、日本からの越境ECに規制をかけて来ることは大いに考えられます。
インバウンドで接客をしながら、ブランドの指名買いやメーカーの指名買いなどで購入しに来たお客様への接客を通じて、機能面や品質面など、本当に欲しい価値は何なのかをリサーチし、オリジナル商品での販売比率を高めていくことが必要になります。
インバウンドの何が一番良いのかというと、接客をしながら、その人の表情や本当に欲しているものは何か、ということがリサーチできることです。
越境ECではどれだけデータを見ていても、その人の心や表情を読み取ることは非常に難しいです。
ですので、インバウンド客がいる時に、なんでその商品を買ったのか、その商品の何が良いのか、この商品ではダメですか?という代替案を提示する、など今のうちからお客様のことを深く知ることを意識して、インバウンドでまずはオリジナル商品の売り上げ比率を上げて見てください。それがアウトバウンド(越境EC)の長期的な安定経営に繋がっていきます。