マーケティング、販促

越境ECと実店舗(催事)の連動

越境ECの次の展開

越境ECで商品が売れていくるとさらに角度の高い商品企画や商品選択ができるようになります。越境ECで売れているデータをもとに次なる展開としては実店舗や期間限定店舗、催事などとの連動をお勧めします。

越境ECだけでは得られなかった表情や心理などを直接見ることができ、そこで自分の仮説と違うことは理由を聞くチャンスも得られるのです。

タイの催事販売で得た教訓

2017年9月にタイのサイアムパラゴンといううショッピングモールで開催されたJAPAN EXPOに出店し、3日間限定で販売させてもらいました。

事前にどんな商品が売れるのか、というリサーチはもちろん、webサイトではなく紙のツール類や、接客の仕方、売り方(値引き交渉された時の対応やプレゼントラッピングがいるのか、陳列の仕方はどのような間隔で置くと良いのかなど)をタイの人に聞いて臨みました。

結果としては日本の百貨店での販売よりも売上をつくることが出来ました。予想以上の成果を出せたことと、タイ人の購買意欲の高さを思い知らされました。

実店舗で得たことは越境ECに繋がるのか

では実際に売れた商品はこれから越境ECで売れるのか?答えは難しいところです。実店舗や催事だから売れるという雰囲気や気持ちもあったかと思います。

またやはりまだ信用面でネット通販で物を買うというのは好まない方もいらっしゃいます。特に購入していただいた方の半数以上がネットでは物は買わない、とアンケートにお答えになられました。

アンケート結果からはたくさんの面白いデータを得ることが出来ました。まず実店舗や催事で購入してもらった商品の単価とネットで購入するのがOKな単価を比べて見ると3倍以上の差がつきました。

私たちが販売するような高い商品(財布で15000-30000円くらい)のものはやはり実売の方が売れるな、という印象を持ちました。

実店舗と越境ECの連動の最初の一歩

実店舗で売れたデータや経験をそのまま越境ECに持ち込んでも売れません。そこにはワンクッション必要です。それがSNSの力です。

今回も実際には販売に繋がらなかった人にもSNSの告知をさせてもらい、継続的にコミュニケーションを取ることをゴールと定めました。これは販売を手伝ってくれた通訳の人や販売員の人にも共通意識を持ってもらったことです。

買ってもらった人へのアフターフォローはもちろん、買ってもらっていない人への継続的な関係性作り。それを経て、信頼を得てから、越境ECでの販売に繋げる。この流れなんだろうな、と実感しています。

催事で海外から来たお店で買ってもらったお客様にその後のフォローをしているお店はどのくらいあるでしょうか?そこの手厚いフォローアップがファンを増やし、口コミが起こり、最終的に売上に繋がって行くのだと思います。

すぐに使える実店舗で得た情報

今回の催事販売で得た情報ですぐに使えるな、と思ったのは、集客商品から主力商品への橋渡しはどのような接客をしたらなるのか、どの色が売れるのか、そして買わない理由も聞けた、ということです。

特に買わない理由はネット通販で見えてこないデータです。1商品ごとのアクセスや成約率を見て、どれが良い悪いは分かりますが、その理由までは分かりません。ただ店頭に置いておくと見向きもされないのか、価格で逃しているのか、どこを見てから止めるのか、などが明確になります。

その要素をクリアにさせて越境ECのページ作りを実店舗販売での接客と同じようなものにしていくこと、これを店舗とネット通販の連動として取り組んで見て欲しいです。

Mitsutoshi Murata

株式会社プリンシプル 代表取締役 船井総合研究所WEBコンサルティングチーム コンサルタント、チームリーダーを経て、2013年、株式会社プリンシプルを設立。メンズの総合セレクトショップ フリースピリッツ立上げ。2014年より越境EC事業を開始し、2016年、越境ECが全体の売上構成比20%に成長