編集者メモ:本ブログは、EmailMonksのマーケティング責任者であるKevin George氏によるゲストブログです。
ホリデーシーズンでまず連想されるものといえば、時候の挨拶とショッピングです。デジタルの世界では、マーケティング担当者が、時候の挨拶や購読者の好みに合わせてパーソナライズされた、販促メッセージを送ることができるコミュニケーション媒体が、Eメールだと言えます。
ほとんどのブランドにおいて、ホリデーシーズンに平凡なデザインのメールを購読者に直接送信しています。
あるいは、見栄えの良い、購読者を楽しませるGIFアニメーションを取り入れているEメールもあります。
来るホリデーシーズンには、下図Adestraのクリスマスメールのような、ユーザーとのインタラクティブ機能をEメールに導入し、購読者や顧客のエンゲージメント戦略を一歩進めてはどうでしょうか?
2014年に登場した、CSSアニメーションのEメールインタラクティブ機能により、ユーザーエンゲージメントが大幅に改善されたことで、コンバージョン率が上昇しました。しかし、未だに多くのマーケティング担当者は、Eメールでインタラクティブ機能を利用することを躊躇しています。今回は、ホリデーEメールのインタラクティブ機能が、どのようにしてユーザーエンゲージメントを大幅に高めることができるのか、そして克服しなければならない「ハードル」とは何かを学びましょう。
ホリデーシーズンは、10月のハロウィンのショッピングから始まります。それに向けて、マーケティング担当者の準備は9月から始まります。なぜマーケティング担当者がホリデーシーズンに最大の努力をするのかは、下のグラフを見れば明らかです。ホリデーシーズンの販売は年々増加しており、2017年のEC販売高は723億ドルを記録し、前年比14.6%の驚異的な伸びを示しています。
ホリデーシーズンの販売状況で、年末の売上高が想定できるマーケティング担当者もいます。
SNSではフォロワーが必要で、他の投稿の山に埋もれてしまう可能性がある一方、Eメールの場合は、リーチできる範囲が極めて広く、必要なのは購読者のEメールアドレスだけで、購読者の受信トレイに入ればすぐに読んでもらえます。
さらに、購読者のオンライン行動を調べることで、趣味や興味の対象などを知り、Eメールをパーソナライズすることができます。このように、単なるメーリングリスト上の名前で事務的に送られるのではなく、現実の人として扱われるため、購読者はブランドにもっと親しみを感じるでしょう。ホリデーシーズンは家族や友達など、親しい人たちと親交を深める良い機会ですが、パーソナライズされたEメールも、購読者に自分は大切な顧客として扱われていると感じてもらうことができます。
Litmusが調査した、2017年のEメール制作状況では、2,273人の回答者の中で46.3%がインタラクティブ機能を試してみたいと答えている一方で、実際に試した人は14.8%に留まっています。前述のように、ほとんどのマーケティング担当者は、EメールにCSSアニメーションベースのインタラクティブ機能を統合することを躊躇していますが、インタラクティブ機能を使用した場合のクリック率の高さは、議論の余地がないほどなのです。
Martech Advisorの調査によると、インタラクティブEメールコンテンツはクリック率を73%も向上させることがわかっています。したがって、大量販売が見込まれるホリデーシーズンに重ねてこのクリック率を達成すれば、高い投資対効果が得られ、素晴らしい施策といえるでしょう。
Eメールのインタラクティブ機能の有効性について認識できたところで、実際に各ブランドが、ホリデーシーズンのEメールでこの機能をどう活用しているかを見てみましょう。
以下のWired MessengerのEメールでは、ハロウィンのテーマに「Duck Hunt」というビデオゲームを融合しています。これにノスタルジアを感じた人は、確実にEメールを開こうとするでしょう。
次の1973 ltdのEメールでは、ユーザーが揺れている箱をクリックすると、マジックが始まります。スノードームが現れて、その中の風景が画面全体に広がります。雪と光を切り替えるボタンがあるので、さらなるインタラクティブ機能を体験することができます。インタラクティブ機能を上手に活用したEメールといえます。
Taco BellのインタラクティブEメールは、Eメールのコピーもインタラクティブ機能に重要な役割を果たす稀な例です。ここでは、選択したオプションに基づいて、ストーリーの終わり方が変化します。画像をクリックして体験してみてください。
忘れていましたが、記事の冒頭で紹介したAdestraでは、「CTA」ボタンをクリックすると、さまざまな都市のランドマークが現れます。ここをクリックして見てください。
インタラクティブ機能は利用されることが大前提:上の4つの例で見たように、インタラクティブ機能は組み込むことが目的ではなく、購読者がインタラクティブ機能を実際に使用して初めてメッセージの全容が伝わるものです。購読者との間での双方向性が発生しなければ、Eメール自体のメッセージが失われます。したがって、インタラクティブ機能は利用されることが重要となります。
インタラクティブ機能をサポートしていないEメールクライアントに適切な代替方法を提供する:現在、Apple Mail、iOSメール、AndroidのネイティブEメールクライアント(Gmail Androidではない)、Thunderbird、Outlook for Macでは、Eメールに組込可能なインタラクティブ機能が大抵サポートされています。前述したように、インタラクティブ機能が表示されない場合は、Eメールのメッセージが失われるため、サポートされていないEメールクライアントに対しては、「view online(オンラインで見る)」リンクなどの代替機能を含めるようにしましょう。
インパクトのある件名にする:インタラクティブEメールも、メールが開封されなければ無意味です。興味を惹く魅力的な件名を考えましょう。
リストをセグメント化する:多くのEメールサービスプロバイダーは、購読者が使用するEメールソフトの種類を管理しています。その情報を活用して、インタラクティブ機能が体験できるEメールソフトを使用している購読者向けに、インタラクティブEメールを送信してください。
SNS共有ボタンを追加する:現代のデジタル世界は、流行を共有することで成り立っているとも言えます。SNSの共有ボタンを追加することで、Eメールのインタラクティブ機能に大変満足している購読者は、友人とシェアすることができます。これにより、ブランドの露出度が高まり、顧客基盤を拡大することができます。
ホリデーシーズンは、購読者にとって、購読しているすべてのブランドから大量のEメールを受け取る時期です。Eメールにインタラクティブな要素を加え、目立つ件名と組み合わせることで、Eメールの山からピックアップして読んでもらい、購読者に優れたユーザーエクスペリエンスを提供するチャンスを掴みましょう。
EmailMonksは、Eメールのデザインとコーディングの分野で急成長している企業です。同社のマーケティング担当責任者であるKevin氏は、Eメールニュースレターテンプレートの制作、およびPSDからHTMLへのEメール変換の専門家であり、無料のHTML Eメールテンプレートを提供しています。「Eメールマーケティング」の世界で活躍している彼の趣味は、ガジェット、バイク、ジャズです。自身のブログで、Eメールマーケティングのベストプラクティスについての洞察と見解をシェアすることを、大いに楽しんでいます。