こだわりと想いを伝えるOur Storyの見せ方
こだわりと想いを伝えて顧客に愛されるブランドになるために
日本の中小企業がアメリカでこだわりと想いを伝えていくのはなかなか難しいことです。日本の中小企業はこだわりと想いを長い年月をかけて少しずつお客様に伝えていきました。
そして今の礎を築いている企業が多くあります。ただ、今の時代、時間の流れが早すぎるのと、越境だと言葉の問題や売上と利益をどれくらい待てるのか、という問題が絡まって、日本の良さを伝えることがなかなか出来ない現状にあると感じています。
今回は大きな企業もありますが、アメリカで OurStory をうまく顧客に届けている企業を3社レポートし、日本の中小企業の参考にしてほしいと思って書きました。
Unileverの石鹸ブランド「Lifebuoy」
- https://www.unilever.com/
- https://www.unilever.com/brands/personal-care/lifebuoy.html
- https://www.youtube.com/user/helpachildreach5
インドのThesgoraで実施した手洗い促進キャンペーン「Help A Child Reach 5」
Help A Child Reach 5は、石鹸で手を洗う習慣を人々に浸透させて下痢などの病気の根絶を目指すキャンペーンで、劇的な変化は12歳以下の子供がいる1485の家族への調査で明らかになりました。
キャンペーンは、短編映画で賞を獲得した「Godappa」と一緒に始められ、このキャンペーンの結果、衛生環境が改善され、子供の下痢の発生を36%から5%まで減少させたことが、調査でわかりました。
インドでも高い発生率を見せる下痢や肺炎により、世界では15秒ごとに1人の子供が亡くなっています。毎年210万人の人が亡くなっている計算です。
石鹸を使って手を洗うという簡単で効率的な方法で予防でき、国連のミレニアム開発目標に上げられた「5歳未満の乳幼児死亡率の削減」への寄与も期待できます。
このキャンペーンはインドを含めて14カ国(バングラディッシュ、ブラジル、エジプト、インド、インドネシア、ケニア、マレーシア、ナイジェリア、パキスタン、南アメリカ、スーダン、ウガンダ、ベトナム)にも展開し、インドでも対象を4500万人まで広げていきます。
LifebuoyのGlobal Brand Vice President、Samiri Singhは「Lifebuoyは、これまで14カ国の1億8300万人に手洗いの習慣を伝えることができた。調査では、ブランドの理念に社会的使命を据えれば、命を救うという社会に目に見えた変化をすぐに生み出せるということが示された」と話しています。
キャンペーンにより下痢などの病気を抑制だけでなく、Lifebuoyは3年連続の2桁増益を達成しています。
自社の商品と想いと売上が結びついた良い例です。
Recreational Equipment, Inc. (REI)
1938年に設立されたREIは、アウトドアへの愛情によって団結した23人のクライミングフレンドのグループが、自分たちの冒険のために品質と手頃な価格を備えたアウトドアグッズのCO-OP(協同組合)。
現在のREIコミュニティには、1,800万人の終身会員、35の州およびコロンビア特別区に13,000人以上の従業員と154の店舗があります。
顧客から返品された優しい中古製品を再販するために年に数回店内の「ガレージ」販売を主催してきましたが、今後は店舗でもオンラインでも年間を通じて開催される予定です。
今年は115の店舗にレンタルサービスを展開する予定で、スノーシュー、スキー、スノーボード、設備の整ったキャンプやバックパックのキットなどが含まれます。
持続可能な優れた事業、循環経済に取り組む同社の経営姿勢がことが顧客(Co-op会員)に支持されています。これらのイニシアチブの背後にある最も重要な推進力は、同社のレンタル顧客の3分の1を占めるミレニアルショッパーです。
プロテインベーカリー
- https://proteinbakery.com/
- https://proteinbakery.com/blogs/blog
- http://www.oprah.com/gift/the-protein-bakery-cookies_1?editors_pick_id=25901
オーナー自身のフィットネスダイエット体験と、健康的で美味しいスナック。
レシピはすべて、トランス脂肪、防腐剤、小麦粉、繊維、グルテンフリーにこだわり、テレビ番組有名司会者オペラに気に入ってもらえるようなヘルシースナックを作り出すことを目標に考案。
blog、Instaなどすべてに創業者のリンカーンが発信の中心にいてストーリーを伝えている。
フィットネスやテレビ業界のコミュニティで彼のクッキー、ブラウニのーの試食や配布を徹底し、口コミで売り上げが伸びるように活動。
製品を宣伝する最善の方法として、プロテインベーカリーを特集するであろうという望みでOprah、Rosie O’DonnellとBobby Deenのような彼が称賛したビッグネームに彼の焼き菓子を送り、ついにはオペラのお気に入り商品として取り上げてもらえ、全米に知られるようになった。
まとめ
商品にこだわるだけとか、想いを発信するだけ、では無く、それが社会にどういう良いのか、どんな人たちが喜んでくれるのか、その人たちにどうアプローチするのか、そして最終的には売れるようになるのか。
日本の企業の越境ECも、この一連の流れを設計して、想いやこだわりを伝えて成果を上げていってほしいと思います。