編集者メモ:本ブログは、Ahrefsのコンテンツマーケティング担当者であるHelen Stark氏によるゲストブログです。
ビジネスにおいて、ライバルの存在は避けては通れません。そして、多くのデジタルマーケティング担当者は、「競合他社から盗む」という戦術を実践します。しかし、私は「盗む(真似する)」代わりに、競争相手から「学ぶ」ことをお勧めします。
もちろん、道義に反する手段を講じることは、絶対に許されません。最終的に勝利することを望むなら、スポーツと同様、マーケティングにおいても、ライバルを尊重しなければなりません。そのうえでゲームに勝つのです!ここで競合他社の分析に活用できる、最善のテクニックを確認しましょう。
誰と競合しているのかを知ることは、競合分析の基本です。ほとんどのECウェブサイトは、「直接的な」競合相手を知っています。それは、同じ商品を販売する企業です。様々のニッチな市場で商品を販売している、「間接的な」競合相手を見つけるとなると、もう少し難しくなります。たとえば、あなたがランニングシューズを販売する場合は、一般的なシューズを取り扱うオンラインストアを詳しく調べてみましょう。
高度なSEOツールを使用すれば、競合他社のリストを簡単に取得することができます。ウェブサイトのURLをそこにドロップするだけで、「競合ドメイン」リストが表示されます。
また、安定のGoogle検索コンソールを利用することも有効です。そこからトップキーワードを導き出した上で、これらのキーワードにおけるGoogle検索のトップ10をチェックし、そこに表示される最も有名な競合ドメインのリストを作成します。
競合他社にとって、どのキーワードがSERP(検索結果画面)のトップに立つために効果があったのかを知りたいところですが、ライバル企業の検索コンソールを覗くわけにはいきません。しかし、最新のSEOツールを使用すれば、競合他社のキーワードを調べることができます。1位から10位までのポジションを占める競合他社に絞って、有効なキーワードを選択してください。それらが主なターゲットになります。
競合他社のキーワードをピギーバックし、その顧客が購入する前に横取りしてしまう仕掛けがあります。競合他社ブランドのキーワードを調べるだけで、「~と比較して」、「~に代わる」、「より良い」、「より安価」、「vs.」等のような言葉も含まれていることが分かります。
そこで、これらのキーワードに最適化したランディングページや他のコンテンツタイプを作成し、これらのフレーズをターゲットにしたGoogle AdWordsキャンペーンをいくつか実行します。通常買い物客は、購入する前に、競合他社が提供するものよりも安価ですぐ届くソリューションを探すものです。したがって、購入前に買い物客の気持ちを変えて、ライバルの代わりに購入してもらうチャンスが生まれます。
競合他社の顧客は、素晴らしい情報源といえます。さまざまなチャネルで行動する様子は、合法的に追跡することができます。競合他社が運営しているSNSページをチェックし、ユーザーのコメント欄を確認してください。そしてそのウェブサイトのパフォーマンス、サービス、商品などについてユーザーがレビューしていることに注目します。ユーザーの興味がある新しい機能や商品が何であるかを見極めます。購入客の59%もの人々が、ブランドに対する不愉快な経験をオンラインで共有していますので、否定的なコメントもチェックしてみましょう。示唆に富み、参考になる情報があるかもしれません。
競合他社のブログ記事にユーザーが残したコメントも確認します。それにより、ユーザーにとって、どのトピックが最も関連性が高いのかを理解し、同様の(しかしより価値の高い)コンテンツをご自身の顧客に提供することができます。また、競合他社のニュースレターに登録して、内側からEメールキャンペーンをチェックすることも可能です。
調査に費やす時間を節約したければ、トラフィックが一番多いチャネルに絞って確認しましょう。これには、SimilarWebツールバーが役立ちます。「Sources(ソース)」タブには、ダイレクト、SNS、Eメール、その他のチャンネル間におけるトラフィック分布が表示されます。
もう一つの成功の鍵は、オンライン上の評判です。これには堅実な戦略が必要とされます。競合他社のブランドへのメンションを追跡して、人々のそのブランドについて何を話しているかなど、多くを学ぶことができます。ここでもやはりさまざまなツールが利用できます。
企業のブログ、SNS、Eメールなどでは、ユーザーが話す内容により、ブランドは簡単に制御されてしまうので、「独立系の」ソース上でのブランドへのメンションの方が、ライバル企業に関する偏りの少ない情報に触れられる可能性があります。
また、メンションは、こちらのブログやSNSの活動にも良い刺激を与えるソースになります。競合他社がどのようなコンテンツを作成しているかをサーチすることで、より優れた、洗練されたコンテンツを作成するのに役立ちます。
バックリンクは、On-Page SEO (オンページSEO)対策に対するAhrefsの研究によって、主要なランキング要素と考えられています。リンクビルディング(被リンク獲得)は、すべてのマーケティング担当者が注目している要素であることに間違いありません。ライバル企業が、休むことなくリンクビルディングに精を出しているのは明らかです。したがって、成功するためには、それ以上に多くのバックリンクを獲得する必要があります。
競合他社がバックリンクを獲得したウェブサイトを確認し、そこでバックリンクを構築します。インフルエンサーを引き付けるために、ゲスト投稿とアウトリーチキャンペーンを活用して、ウェブサイトへのバックリンクを設置してもらうよう依頼しましょう。彼らが積極的にバックリンクしている時期を調べてください。通常、参照ドメインのグラフが短期間に突然増加している時は、競合他社が積極的にリンクビルディングをしている可能性が高いです。
ライバル企業についての調査データを収集するための、スプレッドシートを作成しましょう。そうすれば、マーケティング戦略のどの部分に改善が必要かを理解する手助けになります。
競合分析は常に継続するプロセスです。オンラインでのライバルに、知らぬ間に戦略や戦術を追跡されているかもしれませんし、同様に競合他社のマーケティング活動を注視しておくべきです。ただし、競合他社の戦略を真似して、従えば良いということではありません。独自性を発揮することに注力して、常に顧客の期待に応えましょう。
Helen Stark氏は、Ahrefsのコンテンツマーケティング担当者です。興味深いストーリーで読者を引きこむために、毎日新しい話題を探求しています。マーケティング活動以外では、ロックミュージック、読書、旅行が大好きです。TwitterでHelenをフォローしてください。