サイバーウィークにおけるモバイルマーケティングのヒント
モバイル小売業の販売高は巨大で、さらに増加の一途をたどっています。2017年の米国におけるECでの全販売金額の34.5%が携帯端末で行われており、その総額は1562億8千万ドルに達しています。そして2021年には、4201億7千万ドルに達すると予測されています。2017年のサイバーマンデーだけで、モバイル販売は20億ドルに達しました。これはすべての売上の3分の1近くに相当します。
これは世界的な傾向です。世界のモバイルでのEC販売高は、2017年に1兆4,000億ドルに達しました。英国では、オンラインECの全注文の52%が携帯端末によるもので、日本では51%でした。2017年の第3四半期に、韓国人の58%、中国人の68%がモバイル経由で買い物をしています。インドや中国では、モバイルコマースの販売はすでにデスクトップPCによるショッピングを上回っています。
モバイルセールスは、ECにおいて重要な役割を果たしています。この記事では、サイバーウィークでのモバイル販売を向上させるためのモバイルマーケティングのヒントをご紹介します。
1.モバイル向けのSNSマーケティングを最大化する
調査によると、消費者は主にモバイルを経由してSNSで対話をしています。InstagramとPinterestがこの傾向をリードしており、90%以上がデスクトップではなくモバイル経由で利用されています。
興味を惹くために#CyberMonday、#BlackFriday、および#BFCMなどのハッシュタグを使って、魅力的な商品画像をシェアしましょう。独自のサイバーウィーク関連ハッシュタグを作成して、顧客に対して進行中のSNSの会話に参加を促すこともできます。
ハッシュタグはクロスプラットフォームであることに注意してください。モバイルマーケティングのメッセージと会話は、Instagram、Twitter、Facebook、およびSnapchatで一貫性を保つ必要があります。購入後の画面とフォローアップメッセージも、サイバーウィークハッシュタグを販促するようにすべきです。消費者に、自身のショッピング体験を共有するよう依頼したり、自分が新商品を使っている写真をアップロードするようお願いしましょう。
ウェブページやマーケティングメールには、簡単に見つけやすい、モバイル版のシェアボタンを目立つように配置し、SNSのシェアボタンを、アプリケーションと、アプリケーション内マーケティングと統合しましょう。
FacebookやInstagramだけに注力しすぎないでください。Snapchatはモバイル専用プラットフォームで、1日に平均18回もチェックする、何百万人ものヘビーユーザーを抱えています。つまり、Snap AdsはFacebookよりもモバイルマーケティングのROIを向上させることができるのです。Pinterestもまた非常に効果的なモバイルSNSプラットフォームです。Pinterestフィードを、モバイルマーケティングファネルへと導く購入ボタンを配置した、Pinterestギフトガイドを作成することを検討してください。
2.モバイルビデオ広告を効果的に活用する
Googleの調査によれば、ミレニアル世代の40%がYouTubeのビデオを信頼しており、ミレニアル世代はモバイルマーケティングの主要ターゲット層であると言えます。YouTubeによると、全ビデオの50%以上が携帯端末で視聴されており、 Wyzowlでは消費者の90%がモバイルでビデオを視聴しています。また、Twitterの90%のビデオも、モバイルで視聴されていると報告されています。したがって、モバイルビデオ広告はリーチ力が極めて強いことが分かります。
マーケティングビデオを制作する際には、モバイル体験を考慮してください。
- ほとんどのモバイルビデオは消音状態で視聴されるため、字幕をつけるか、音が無くても理解できるようにしましょう。
- モバイルビデオ広告を最も良く観るミレニアル世代は、没入型のストーリーテリングマーケティングを好みます。
- モバイル視聴者の30%以上は、広告を見るためにわざわざ画面を横にすることはないので、縦画面に合わせたマーケティング動画を撮影しましょう。
3.モバイルマーケティングを統合する
効果的なモバイルマーケティング戦略とは、全体的なマーケティング計画の一環としてモバイルデバイスを使用することです。従来型のデジタルマーケティング手法を甘く見てはいけません。
- プッシュ通知マーケティングを他のチャンネルに統合します。端的にポイントを突く内容にします。プッシュ通知は、カート放棄の通知や、マーケティングEメールのフォローアップに最適なツールで、サイバーマンデーの特別セールが終わりに近づいていることをアラートすることもできます。
- 買い物客は、メッセージを約7回見て初めて行動に移ることを覚えておいてください。同じセール品を、Eメール、SNS、プッシュ通知を通じて提示することで、より多くの顧客に販促することができます。
4.モバイルに適したグラフィックを準備する
イメージはテキストベースの広告よりも強くアピールできるため、ビジュアルマーケティングは、モバイルマーケティングにとっての鍵を握っています。画像付きの投稿は、画像が無いものよりもはるかにコンバージョン率が高いため、すべてのSNSプラットフォーム上でモバイルフレンドリーなグラフィックを使用してください。
- すべてのグラフィックがスマートフォンの画面とタブレットの形式に確実に対応していることを確認してください。
- 画像をシンプルに保つことで、小さな画面上でぼやけることがないようにします。
- 画像をクリック可能にして、モバイル購入のステップへと導きましょう。
5.モバイルショッピング体験をスムーズにする
顧客が実際に商品を購入する手順が煩雑だと、世界で最も優れたモバイルマーケティングキャンペーンを展開していたとしても台無しになってしまいます。オムニチャネルショッピングでは、消費者はオンライン、オフライン、SNS、Eメール、およびプッシュ通知を通じて、同じブランドメッセージを受け取ることを期待しているため、これらのプラットフォームをすべて一本化することが重要です。
- SNSプラットフォームを介して、商品を簡単に購入できるようにします。Pinterestで購入ボタンを使用し、InstagramとTwitterでワンクリック購入ボタンを使用し、Facebookの投稿とメッセージに購入ボタンを追加します。アプリ内マーケティングとテキストメッセージマーケティングで、click to callボタンと、購入ボタンを使用することもできます。
- Eメールがモバイル閲覧用に最適化されていることを確認してください。すべてのEメールの半分以上が携帯端末で開封されています。鮮明な画像と大胆なCTA(行動喚起)を提供すれば、読者がクリックするようになり、オファーページに直接誘導することができます。
- 利用しやすいモバイルウェブサイトであることを心がけてください。ウェブフォームを簡潔にし、ランディングページからチェックアウトまで、ユーザー体験がスムーズに流れるようにしましょう。
- モバイルショッピングでは、購入を完了する前に着信する他のメッセージやアラートによって中断される可能性が高いため、チェックアウトが速やかに完了できるようにしてください。購入前のユーザー登録を不要にして、自動検出フィールドと自動入力フィールドを追加しましょう。
6.モバイルフレンドリーなポップアップ広告のみを使用する
2017年初頭に、Googleはモバイルデバイスに押し付けがましいポップアップ広告を使用する企業に対してペナルティを課す措置を導入しました。これは、すぐさまポップアップしたり、大きすぎるインタースティシャル広告が単に迷惑以外のなにものでもないことに対処したもので、避けるべきことです。効果的なモバイル広告のベストプラクティスは次のとおりです。
- Googleは、ユーザーが広告を開いた場合にはペナルティを課すことはありません。そのため、ユーザーがクリックしたときに開く、小さなフローティング広告や上部または下部のスクリーンバナーが効果的です。
- メイン画面を覆うことのないように、トップまたはボトムにバナー広告を表示します。
- 離脱防止ポップアップ(Exit intent ad)は、ユーザーがウェブページやアプリケーションページに一定の時間を費やして離脱する準備ができている場合にのみ起動されるため、モバイル体験を妨げるものとはみなされません。ユーザーがページにアクセスし、その直後に離脱することを決めた場合には広告が開かないように、離脱防止ポップアップはタイマーで起動させます。
- 離脱防止ポップアップは、カート放棄通知の理想的な手段です。
適切なモバイルマーケティング戦略を実施すれば、サイバーウィークの販売高は飛躍的に向上し、モバイルショッピング革命の恩恵を受けることができるでしょう。