スナップチャットとAmazonの提携からみるソーシャルコマース
ソーシャルコマースの可能性
みなさんはソーシャルメディア 、例えば Youtube や SNS (Facebook Twitter、 Instagram、Snapchat など) のどれかを利用されているでしょうか?そこから得た情報をもとに商品やサービスを検索して、ネットショッピングをすることもありますか?
このような消費者行動の変化に反応するように企業やブランドに注力しているのがソーシャルコマースで、ソーシャルメディアによって消費者との関係を深め、ECサイトに集客する販売促進方法です。
最近のソーシャルコマースでは、ソーシャルメディアアプリのさまざまな機能向上により、商品情報を掲載したり、撮影された投稿を見た人がそのまま企業や店舗の商品ページへ遷移することが可能になりました。
一般ユーザーの口コミや投稿写真から、直接商品が購入できるようになったのです。
最近では動画配信とECが組み合わされたライブコマースも注目のソーシャルコマースといえます。
Snapchat と Amazon
どのソーシャルメディアもこぞってソーシャルコマースのために新しい機能を提供する中で、Snapchat は 新機能のビジュアル検索ツールを Amazon と提携してテストしていると発表しました。
同社が展開している機能は、カメラの画面を長押しすることで ユーザーは検索を開始でき、アプリが製品とバーコードの両方を認識します。
商品が認識されると Amazon がポップアップで表示され、Amazon で販売されている商品または同様の商品へのリンクが表示されます。
ユーザーは選択した項目をタップして Amazon.com にアクセスするか、Amazonアプリがインストールされている場合はそれを開いて、そこから購入を完了できます。
新機能のテストはフィードバックを受けて機能を微調整しながら段階的に拡張されます。
「Snapchat は常にコミュニケーションのための最速の方法であり、そして今では買い物のための最速の方法です!」 と Snap の広報担当者は、ブログの記事で新機能を発表しています。
ARとの連動
カメラ会社Snapの手がけるSnapchatではレンズ拡張機能に注力してきました。
Snapは Lens Studio を発表して、 ユーザーがARレンズ拡張現実効果をより簡単に作成できるようにしました。
一般ユーザー製レンズの数が増えたことから、その検索機能をSnapchatに導入しました。それによりブランドが広告用のツールとしてARレンズを使用するブランドスポンサー付きARレンズを利用することを可能にしました。
これ以外にもEコマースのShoppable AR機能など、Snapchatのすでに堅牢な拡張現実のポートフォリオに、今回の新機能は追加されこととなり、今後のAR機能の運用技術の広がりが期待されています。
Snapchat と Instagram
またこの新機能の発表は、Snapchat と Instagram の間で現在行われている技術革新の競争をヒートアップさせます。
Instagram は最近、自社プラットフォームでのショッピングをより簡単にすることを目的とした一連の新しいアップデートを発表し、そしてショッピングに完全に焦点を当てた独自のアプリ開発に取り組んでいると伝えられています。
Amazon との提携により、Snapchat は実際のショッピング機能のほとんどを Amazon にアウトソーシングすることができます。
まだ試験段階ですが、一般公開された時にどれだけユーザー投稿から検索された商品で Amazon に集客があるのかに多くの企業が注目しています。
対抗する Instagram はファッション、ビューティー、ライフスタイルなどの分野に重点を置き、イメージやストーリーを大事なブランドに好評です。
まとめ
これまではソーシャルメディアに投稿されるコンテンツから商品が検索できる状態にするには、投稿する際に情報をあらかじめ設定しておく必要がありました。
でも今後はその作業も必要なくなるかもしれません。
現在使われているショッピング機能は、更に簡単に、確実に、最小のクリック回数で購入決済までつなげれることができるかが、どのソーシャルコマースでも試されています。
わたしたち小売業者はこういった新しい機能変更に敏感に対応していくことで、集客や売り上げに明確な差がついてくるのではないでしょうか。