越境EC(特に欧米越境)販売者として最も準備を怠ってはいけないのが、ホリデーシーズンの準備。今年もあとキックオフまで2か月弱と迫ってきた。
案の定、The Amazon Blog dayoneでも導火線に火をつけ始めており、該当情報を発信しつつある。
知識や情報は幸せをもたらす強力な武器になるので、ここから2か月は特にアンテナを高く攻めも守りもしていきたいところである。
特にAmazon.comの販売者が多いと思うので、絞って記事にしていく。
【Amazon.com人気玩具2019を発表】
<dayone: Top toys & games of 2019>
https://blog.aboutamazon.com/shopping/top-toys-games-of-2019
目次
最新情報の取得や改革にいち早く気づける人は、先行者利益を得る可能性が高まると常々思っている。
アマゾンでいうと、二つの情報ソースからなる。
1つは、自分の販売情報(出荷後の情報、納品状況など)
もう1つは、アマゾンサイドの情報(販売手数料、販売ルール変更など)
チェックポイントは、セラーセントラルや冒頭に出てきたThe Amazon Blog dayoneが主流になってくるが、信頼できる個人ブログ、ツイッターも良い情報ソースである。
例えば最近変わったAmazon最新ルールとして返品ルール追加が行われたことで、セラーにとって有益になる変更であった。
購入者がアマゾンで購入した商品を返品する際に“inaccurate website description(ウェブサイトと説明が異なる)”を選択した際に、購入者による返品時コメントの必要ができたからだ。
これは個人的には、郵政民営化以上の大きな改革だと思っている。
セラーにとって、最も厄介な返品理由の一つ“inaccurate website description”が改善されたことになる。
このinaccurate website descriptionの厄介さは有名な話だ。
返品で適当に理由を選定されただけで場合によっては、偽物の疑いに発展する可能性があったのである。
今回のアップデートではある程度追跡できるものとなった。
購入者は返品時コメントをつける必要性が出てきたので、これらのコメントを使用して、顧客の不満や返品の要因を事前に診断して対処し、具体的な改善をすることができる。
このようなルールの把握・遵守を常にアップデートさせる事は、アマゾンライフを大きく向上させるポイントとなる。
そしてルール遵守を行った上で、テクニカルなディフェンスやオフェンス構築を行うことが大切である。その中で、早い変化に対応できるよう情報収集のルートを確保する事もまた重要なポイントだ。
数あるデータを取得することができるアマゾンは越境EC上でトップクラスのセールスマーケティングが可能だ。
セールスとマーケティングを活用し、すべてを差し引くと手数料は割安に感じられることは多くの利用者が理解しているだろう。
その中のマーケティングにおいて、意外と活用されていないポイントがあるので紹介する。
米国でのブランディングで重要なのはエリア別・人種別でのマーケティングだ。
これはアマゾンを活用し進めることが可能である。
特にエリアでのマーケティングは非常に簡単で、購入者住所から割り出せばよいだけである。
もっとも、購入者と配送先の二つの住所があるので念のため両方をピックアップすれば、なお良しとなる。
うちの会社で行っている一部の資料を以下に事例として掲出するので、参考までに見てほしい。
※購入が多く見られた都市トップ5 LA,TX,FL,GA,AZ
※現状GA,AZとの相関関係は見られない
※1SKU/月平均1000個前後の販売数
上記に加え「その時の状況(季節、状況)」「ライバル商品の状況、動向」等を加え日々のマーケティングに役立てているので参考にしてみてほしい。
越境ECにおいて、マーケットインは最重要要素なので、とれる情報はすべて活用し、日々の改善に生かしてほしい。
アマゾンでの販売増加、売り上げ増加において、ロングテールは切っては切り離せない言葉である。例え1SKUの商品でも関係性の深い言葉だと考えている。
アマゾンは「売上の8割は2割の優良顧客が生み出している」という考え方が一般的な時代に、一石を投じたゲームチェンジャーとなった。
ここでは、ロングテールを活かした販売方法・商品ページブラッシュアップ、商品開発のためのポイントを一部抽出していこうと思う。
ロングテールを生かすために、以下4つのチェックポイントがある
ページはただ作るだけでなく公開後、検索エンジンにインデックスされることが重要です。そのためにアマゾンが奨めているのは、標準的な技術仕様にもとづいてページをつくることである。
つまりは
「どのような検索ワードで」
「どれくらい表示され」
「どれくらいクリックされた」
手法は様々だが、例えばCampaign Managerのトライアンドエラーで向上させていくことが可能である。
上記で技術的な仕様と書いたが、要はアマゾンは売り上げをリスク少なく上げたい=アマゾンを儲からせる事ができるセラーが優遇されやすい。
そこでまずアマゾンの概念を見ていこう。
アマゾンの企業コンセプト=「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」
創業者ジェフ・ベゾスの理念=「顧客は常に正しい」
この概念に沿って進める必要がある。
1. 在庫に余裕をもつ
2. クリック率を向上させる
3. ユニットセッション数を向上させる
4. キーワードを最適化する
5. レビューを増やす(もちろんポジティブ)
6. 販売件数を増やす
7. 販売個数を増やす
一般的にこの辺りではないだろうか
さらに重要なのは、「ページを増やす=入り口を増やす」ことを仕組み化すること。
店頭でいう、棚のフェイスをとることである。商品数を増やす、バリエーションを増やす、セット商品を増やすなどが一般的な手段である。
商品が増えきてきたら検索で確認をし、常にその施策が適切かどうかチェックしながら、ロングテール戦略を進行。気づけば徐々に販売数が増えていく。
一般的な店頭では、棚には限界があるがオンライン上ではほぼ無限。
ここをフル活用しない手はないと思っている。
やみくもに商品登録を増やしても
専門的な文言や利用者が一般的に使用する文言を商品ページに入れると、よりダイレクトに検索されやすくなる。
そのため専門家やその手のプロが発信提供するコンテンツ・ワードを増やしていくと、購入者からのダイレクトの検索に該当し、上位表示される可能性が上がる。
通常では棚にも入らない商品が掲載でき、ダイレクト検索で購入までつなげることが可能。
これはアマゾンといわず、オンラインビジネスの醍醐味の一つであるといえる。
先日の日経MJ新聞(2019/9/17)の記事で伊藤忠商事が一面で、マーケットインの大切さが記事になっていた。
超大手商社として売ることを重視していたが、これからはマーケットインの意識を高めていかなければ、先はないという記事だったと記憶している。
同時にダイレクトマーケティングの重要性も日増しに重要視されてきている。
アマゾンでは様々な情報取得を、API、CSVを活用すれば分析も簡単にできてしまうことが可能だ。
もっとも、手作業でもかなり多くのマーケット情報が取れる。
言葉だけが先に走る市場感の中、越境EC・Amazon.comで販売してきている人、これから販売する人は一歩先に出ていると思うので、是非マーケットインの意識を高め、この先の販売に生かしてほしいと思う。