2016年ついに従来のパソコンでオンラインショッピングをする(Eコマース)にかわり、スマホを使って買い物をするモバイルコマース(Mコマ―ス)の収益の方が増大しました。そして今後もMコマースの収益はさらに飛躍すると見込まれています。
Mコマースの増加は、SNSやオンラインショッピングに慣れ親しんでいるミレニアム世代が、さらにカスタマイズされた迅速なソリューションを期待していることを表しています。そして進歩的なWebアプリの出現がこの勢いを押し進めています。
世界的に人気になったアメリカ発のWishやロシア発のJoomに代表されるショッピングアプリの機能を例に見て、いまどきのMコマースの傾向を探ってみたいと思います。
スマホの検索でアピールするには、いかにその小さな画面に魅力的な画像を見せるかが問われます。
WishとJoomもインスタグラムのように沢山の画像をブロックのように並べて、とにかくたくさん表示することで、商品の選択肢の多さをアピールします。気になるものがあったら画像をタップし詳細画像にたどり着くつくまでのスムーズさも追求されています。
どちらのアプリもディープラーニングのテクノロジーに大きく力を入れています。ユーザーの閲覧した商品を記憶していき、ユーザーに商品をオススメします。
また電子メールキャンペーン、顧客レビュー、再エンゲージメント、割引コードなど、これまで人と時間がかかるため維持することが大変だったカスタマーフォローをアプリが自動化します。
最近のアプリ開発では、ビジネスの複雑なタスクを軽減し、ショッピング体験を向上させるためオートメーションに重点をおいています。
消費者の関心を捉える最も効果的な方法の1つは、カスタマイズつまり個人のニーズ合った商品やサービスを提示することでしょう。
ディープラーニングでユーザーのオンライン行動や購入履歴を追跡、分析します。またアプリはソーシャルメディアを含むいくつかのWebサイトにアクセスし集めたデータと合わせ、ユーザー一人づつにカスタマイズされたソリューションや提案を導きだします。
そしてプッシュ通知やジオロケーションマーケティングなどの技術で、リアルタイムかつ適切な場所で顧客の注目を集めるために自動で広告やユーザーにとって有益な情報を配信できます。
Amazonが1997年にワンクリック特許を取得し、シンプルでスピーディーな決済法として確立しました。特許の期限が切れた2017年以降はさらに多くのモバイルアプリでワンクリックの支払いオプションを組み込んでいます。
拡張現実(AR)は、すでにモバイルコマース業界で多く使用され初めています。
この技術をわかりやすい例で説明できるアプリがポケモンGOです。スマホのカメラを通して、現実世界にポケモンが現れたかのように見える機能のことです。
小売業者はARを店舗に活用し、ユーザーのショッピング体験を向上させることが期待されています。
大手の例でいうとイケアのつくった「IKEA Place」は、AR技術を活用しスマホで撮影した部屋の中に実寸大の家具を「設置」できるアプリを開発しました。家具の実寸もスマホをかざすことで測れます。
またアパレル業界ではオンライン試着を可能にするためのバーチャル試着アプリの開発が繰り広げられています。
こういった技術やアプリの進化を意識して、顧客にとってよりよいショッピング体験を提供できる企業がMコマースマーケットで勝ち残っていけるのではないでしょうか。
そしてこの波は国を越え、すぐに越境でも物が買える、サービスを受けられる、という体験と連動してくると思われます。