“1400年代頃には印刷技術が生まれ、人々は知識の格差問題を埋めることができるようになりました。1700年代の産業革命時代には労働力問題を埋めるために蒸気エンジンが生まれるなどエネルギーを開発しました。
1900年代になってインターネットが世界の距離を埋め、そして2000年代現在、世界に溢れる情報に翻弄されている私たちは「信頼」を埋めるテクノロジーが必要であるという見方があります。”
そしてその解決法の一つに挙げられているのがブロックチェーンです。(参考記事:https://medium.com/@sanket_mehta/https-medium-com-sanket-mehta-blockchain-for-social-impact-3376a5842426)
実際のところ小売業でもEコマースジャイアントのWalmartからUnileverまで、このテクノロジーにの活用に力を注いでいます。
ブロックチェーンは、通常は暗号通貨で実行され、P2P方式ネットワーク上の多数のコンピューター間で共有台帳として保存されるオンライントランザクションのチェーンとして定義できます。
ブロックチェーンテクノロジーは、最近の歴史の中で最大の技術的進歩の1つと考えられており、さまざまな形式のソフトウェアエンジニアリング、暗号科学、経済ゲーム理論に基づいています。
ブロックチェーンには、社会の仕組みを形作る可能性があります。オンライン小売、サプライチェーン管理、送金、デジタルID、不動産管理、データ共有、食品安全、不変データストレージ、税務コンプライアンス/規制、デジタル投票など、ほぼ無限のアプリケーションとユースケースがあります。
ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーが業界のジャイアントたちによって先導されているのは驚くことではありません。以下は、このテクノロジーがビジネスモデルで重要な役割を果たす方法の数例です。
TradeLensはIBMとデンマークに拠点を置く大手海運企業A.P.モラー・マースクが主導する海上物流のためのブロックチェーンベースのプラットフォームです。
ブロックチェーン技術を利用して、サプライチェーンに参加している人々にリアルタイムで透過的な出荷ライフサイクルデータを提供しています。
またこの技術により、出荷事務処理の自動化とデジタル化が可能になり、人的エラーが減少し、出荷プロセスが大幅に高速化されます。
これらの小売大手はIBMと提携して、ブロックチェーンテクノロジーを展開し、食品の信頼を高めています。(参照:IBM Food Trust : https://www.ibm.com/jp-ja/blockchain/solutions/food-trust)
食品業界でのサプライチェーン管理に関しては、トレーサビリティ(追跡可能性)が極めて重要な役割を果たします。
食品の不正行為を最小限に抑え、システムを使用することにより、すべての食品に関連するすべてのデータが分散型台帳を使用して追跡されるようになります。その後、このデータを安全に保存し、誰にでも公開され、製品の出所を把握できます。
すべての新しいテクノロジーと同様に、ブロックチェーンの開発はまだ初期段階にあり、完全ではありません。開発者は日々の改善を行って、社会のあらゆる面での普及を促進しています。世界経済フォーラムは、この技術が今後10年以内に世界貿易を1兆ドル押し上げると予測しています。
ただし確かなことは1つ、この技術の利点を理解し、その可能性を利用することは、私たちの「信頼」を埋めるための解決できるかどうかを確認する上で極めて重要です。
高級ブランドであれば、その商品が本物であるかどうかを見極めるためのツールとして有効になるかもしれませんし、越境ECで大きなマーケットであるセカンドマーケット(中古市場)ではその真贋が誰にでも見分けがつくようになるかもしれません。
また中国からアメリカへ、というのが越境ECでは最大の流通を誇りますが、そこの品質改善や信頼の担保にブロックチェーンが活躍するとなると、さらに大きな市場になっていくと予想がつきます。