今回は、越境ECでビジネスを拡大している株式会社プリンシプル 代表取締役の村田光俊氏に、その秘訣をブログ記事にしていただきました。
全3回のシリーズに分けて、ご紹介いたします。ぜひ、今後の越境EC事業にお役立てください。
シリーズ記事は、▼こちらから。
「越境ECをやりたい!」そういうお声をたくさんいただくようになりました。 これは国内のECが成長産業になりだした2005年前後のような状態であると思います。
商圏範囲が足元商圏から日本全国が商圏になる。そして24時間販売が出来る。無店舗だから固定費が低く抑えられる。などなど多くのメリットを感じて参入する企業が増えました。
越境ECも日本は少子高齢化だから小売の市場規模が縮小する。日本以外のマーケットに比較的簡単に進出出来る。などの外的要因も考慮してこれから参入される方が多くなると思います。
ただ国内ECと越境ECで大きく異なる点があります。もちろん関税や決済や物流の方法も違いますが、もっと根本的に違うのは、<お客様が日本人ではないこと>です。
当たり前と思われますが、ここの違いを理解しないと失敗する可能性が高まります。
海外のお客様は商習慣も何を価値と感じるのかも予算も買うタイミングも何もかも違うのです。日本人が日本人に販売する感覚で販売してはいけません。そして逆に淡い期待を抱くことも失敗する会社様の1つの共通項です。
例えば「日本でつくった安心安全で品質が良いから売れると思うのです。」とか、「日本よりも送料や関税が乗るから高くなるけど買ってくると思うのです。」とか。それは売り手の発想であり、お客様からの視点ではないことが問題なのです。
成功しているショップは現地の人の視点で販売しています。何が?なぜ?いくらで売れるのか?ここを明確に掴んでいるのです。
ポイント1の続きなのですが、何が?なぜ?いくらで売れるのか?を掴んでいる企業様は売れる理由が明確なのです。
こうなったらいいな、ということが日本目線ではなく、現地の人の気持ちに沿って、ニーズも価値も価格もリサーチできているのです。だからこそ物は売れるのです。
よく越境ECをスタートさせたいというお客様に聞きます。「あなたの商品が売れる理由はどうしてですか?」と。これを明確に話すことが出来る会社はファーストステップはクリアしています。
そしてここが成否の80%を占めると言っても過言ではありません。いくら集客を頑張っても素敵なページをつくっても必要とされない物は売れないのです。
ですので、この売れる理由を明確にすることを一番最初に考えていただければと思います。集客や物流や決済やページの作り方などはその後で全然問題ありません。
越境ECを考える際に把握しておいた方が良いライフサイクルは4つあります。
国のライフサイクルを把握すると、どんな物が売れるのか、どんな物が次に売れるのか、ということが見えてきます。例えばですがベトナムは平均年齢が30歳。日本は46歳。30歳だとベビーやおもちゃやウエディングが良い。という具合です。ここで国のライフサイクルと業種のライフサイクルから見通しを立てることが出来ます。
ECのライフサイクルは新興国でしたら、パソコンが普及する前にスマートフォンが普及するということも多く、スマホベースでのサイト構築が必要です。また決済や物流などのインフラ整備も把握しなければなりません。
商品のライフサイクルも考慮すべき事案です。ライフサイクルが早い商品なのか、どのくらいのタイミングでライフサイクルが遷移していくのか。ライフサイクルが成長期の国ではこだわり商品は売れにくいですし、成熟期に差し掛かっている国はこだわり商品とか日本の良いものが売れる可能性が高まります。
越境ECを成功させるためにポイント1と2でお伝えしたようなローカライズとポイント3でお伝えさせてもらったライフサイクルの考え方を理解しておいてもらいたいのです。
執筆者: 村田光俊氏
株式会社プリンシプル 代表取締役
船井総合研究所WEBコンサルティングチーム コンサルタント、チームリーダーを経て、2013年、株式会社プリンシプルを設立。メンズの総合セレクトショップ フリースピリッツ立上げ。2014年より越境EC事業を開始し、2016年、越境ECが全体の売上構成比20%に成長
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