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越境ECがスタートした後の1日の動き

Mitsutoshi MurataMitsutoshi Murata
2017年7月29日

越境ECがスタートした後、何をしているの?

越境ECの準備が整って、販売も開始した、という後のことを掴んでおかないと、なかなか進めることができないと思います。そこで今回は越境ECがスタートした後に必ずやることになることをお伝えしたいと思います。

攻めのルーティンと守りのルーティン

まず1日のルーティン作業の中には攻めと守りがあるのです。

守りのルーティンとは売れていてもそんなに売れていなくても発生する業務です。例えば注文内容の確認、受注処理。お客様対応(納期の問い合わせと返品対応がメイン)。商品の発注業務。価格調査と価格変更。ピッキングと梱包。となります。

基本的には日本の国内ECとやることは変わりません。やり取りがターゲット国の言葉になるとか、リサーチ対象が海外の商品やページになったというだけのことです。

攻めのルーティンは売上を上げるために取り組むことを指します。これは売上が上がってくるとなかなか出来なくなってくるというジレンマを抱える作業です。

例えば、市場調査。SEO対策。商品登録、商品ページ作成。広告のメンテナンス。SNS系の取り組み。などのことです。やればやるほど良いし、売上は上がるのですが、明確な納期がないのと、お客様への迷惑はかからないということで、後回しにされてしまうこともしばしばです。

売上が上がってくると守りのルーティンだけで1日が過ぎてしまうことになります。その時でもまだ単月黒字や投資回収が見込めていなければ、現状人員でなんとかしたい、と思う気持ちも分かりますが、そこでさらなる投資をしている企業様が今、勝ち組になっているのだな、と実感します。

お客様対応のポイント

ルーティンの中でも一番心配で、一番直接的にお客様と対峙しないといけないお客様対応が心配な企業様も多いはずです。待った無しの対応力が求められることが多々あります。

まずお客様対応で一番大事なことは、【時間】に関する概念が日本と違うということです。どこの国でもなるべく早く対応してあげた方が良いのですが、その度合いも様々です。

中国などでしたら、すぐに対応しなければなりません。1日後の対応、1時間後の対応、などでは競争に勝てません。1分後、いや、その瞬間瞬間での対応が求められます。時差もほとんど無いので、お客様からもそのような対応が求められます。

基本的に一番多い内容は【納期】のことです。この納期に対する対応さえ会社内で統一しておき、誰でも対応できるようになれば、お待たせすることもなく、お客様にも高評価を得られるはずです。どのお客様でどうしたら納期の確認ができるのかを全社で身につけておきましょう。

競合調査と価格調整のやり方

越境ECは儲かる、とか、利益率は高くなるのでは!?と当初は思い描くかもしれませんが、越境ECの方が競合も激しく、価格競争も熾烈を極めます。

もちろん無競合になる商品や対象国などもあるかもしれませんが、今やほとんどの国と商品で競争は始まっていると考えておいてもらった方が良いと思います。また、オリジナル商品だから大丈夫、と思っている企業様も、海外で商品を模倣され、先にブランディングされてしまう、ということも起こり得ます。

そんな激しい環境下で、毎日取り組まないといけないのが競合調査と価格調整です。マーケットプレイスでは同じ商品を販売していて価格競争が起こっていることも多々あります。そして時差もありますので、日本は夜中でも対象国は日中であることもしばしばです。その調整をしたり、越境でしたら為替の具合もチェックして、価格を決めないといけません。いろんな要素が絡むので、価格調整は日本よりも頻繁に起こり得ます。

競合調査に関しても今、新しい企業やショップがたくさん越境ECに参入してきておりますので、市場は活性化しますが、プレイヤーとしては利益が出にくい構造になりました。競合では出来ないことで市場やお客様が望んでいて、自社にしか出来ないことは何かを常に問うて、実践していかなければなりません。

越境ECがスタートした後に覚悟すること

越境ECスタートまでにはたくさん乗り越えなければならないことがあります。それを1つ1つクリアしていって、いよいよオープンしたら、そこでホッと一息してしまう企業様もあるかもしれません。ただそれはスタート地点に立っただけで、まだ何も成していません。

スタートしてからが一番ハードになりますし、世界の猛者たちと競争して勝たなければいけないのです。そして何をしたら成功するか、という決められたレールはありません。各プレイヤーがトライアンドエラーを繰り返しながら、歩みを進めなければなりません。

一足飛びに売上が上がったり、集客が伸びたりはしません。1日1日の動きの積み重ねが成果として現れてきます。何か昨日よりも素晴らしい成果を出せるためにこれをしようあれをしよう!とチームのみんなで高め合いながら1日を過ごしてください。

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