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EUからの注文をVAT処理する際の課題

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2018年4月18日

編集者注:本記事はChannel Grabberのコマーシャル・ディレクター、デイビッド・フリール氏によるゲスト投稿です。


もしあなたがEUを商圏にしているマルチチャネルセラー、もしくはEC業者であれば、VAT(付加価値税)と聞いただけでため息が出たり、やる気を失ってしまうかもしれません。

VATはどんな企業にとっても複雑なものです。それぞれのヨーロッパ企業には多種多様の規則や要件があり、例外もあり、数字や割合に関する誤解が存在します。

EUを相手にするセラーであれば、VATの納税義務は何らかの形で負うことになります。EUの注文を受けて法に適合し、罰金の支払いを回避しようとするのであれば、次のような課題を乗り越えなければなりません。

1.知らなかったは通用しない

小規模企業や起業したばかりのマルチチャネルセラーにとって、VATとその影響について見て見ぬふりをしたくなるのはよく理解できます。不都合な現実に目を背けて、何かしなければならないときに、誰かが教えてくれればどんなにいいでしょう。

残念なことにそれは通用しません。すべてのEU諸国の税務当局は、VATの納税義務を無視するECビジネスに対し、不正行為として取り締まりを厳重化しています。

英国内国歳入関税庁(HMRC)は、イギリス国内およびヨーロッパで販売している非EUの小売業者に対する取り締まりを急速に強化しています。EU諸国の税務当局は、商品を差し押さえて罰金を科す権限を持っており、ビジネスに深刻なダメージを与える可能性があります。したがって、必ず規則を守る必要があるのです。

2.マーケットプレイスでの販売も例外ではない

AmazonやeBayのようなマーケットプレイスを使った商品の販売も例外にはなりません。むしろその逆です。

EU諸国の税務当局、特にイギリス、フランス、ドイツは法に適合していない商用オンラインマーケットプレイスを積極的に取り締まっており、AmazonやeBayのような企業にもその影響は及んでいます。これらの企業の納税問題で、査察が入るようになったのです。

税務当局は、マーケットプレイスが小売業者に対して措置を講じなければ、未納付の税に関する責任を、マーケットプレイスに問うことができる権限を持っています。そのため、マーケットプレイス側も、厳しい措置を取る可能性があります。

3.VAT登録の必要性を複数の国で確認すべき

VAT登録は簡単ではありません。販売拠点となる国で登録する必要はもちろん、その他の国でも登録する必要があるかもしれません。

EU内で商品を販売する事業には、「EU遠距離取引規制」が適用されます。販売業者は、販売を行っている国のVAT登録基準額に達するまで、現地のVATのみ納付義務を負っています。

例えば、イギリスを本拠地としてドイツ、フランス、スペインに商品を販売しているとします。各国の基準額に達するまでは、英国VATを徴収するだけでかまいませんが、達してしまった後は各国それぞれに登録し、各国のVATを徴収して各国それぞれに納付する必要があります。

ドイツに関して言えばVAT基準額は€100,000となっており、ルクセンブルグとオランダも同額です。しかしフランスとその他多くのヨーロッパ諸国の基準額は€35,000しかありません。イギリスは£70,000です。

売上げの総額がこの基準額を超過したら、その国のVAT登録を行わなければならないということになり、最終的には27か国で27種類のVAT登録を行う必要があります。

登録規則はこの他にもあります。

ヨーロッパ諸国のいずれかに在庫を持っていたら、その国のVAT登録を行わなければなりません。この場合、基準額はありません。したがって、フルフィルメント by Amazon(FBA)を使っていて、7か所あるフルフィルメントセンターのどれかに在庫を持っていれば、その国でVAT登録を行う必要があるのです。

4.それぞれの注文にそれぞれのVAT番号が必要

異なる国でVAT登録をしているのであれば、注文の一つひとつにその国のVAT番号を適用する必要があります。

日常的に複数の注文が入るわけですから、この業務は本当に面倒なものです。配送先の国を確認し、その国に対応するVAT番号を探さなければなりません。

有り難いことに、ChannelGrabberのようなマルチチャネルEC事業向けソフトウェアがこの難問を解決してくれます。このソフトウェアがあれば複数の国の複数のVAT番号をアカウントに追加することが可能です。

アカウントで「VAT登録済み」を選択し、国コードを選んでVAT番号を追加するだけで、自動的に出荷先の国に対応するVAT番号が付加され、準拠した請求書が送付されます。

5.各国でVATの税率が異なる

関係するEU諸国にVAT登録を済ませたら、今度は異なるVAT税率の問題を克服しなければなりません。

残念なことに、ヨーロッパ全体に統一的に適用される基準税率というものはありません。

例えばイギリスでは、ほとんどの商品は20%のVATとなっていますが、禁煙商品、省エネ材料、車用のチャイルドシートなどは、5%に減税されています。また、子ども服や大部分の食品や飲料は免税となっています。

しかしフランスでは税率が異なり、免税対象品も異なっています。こちらも20%が基準の税率ですが、そのまま食べられる食品は10%、その他の食品と非アルコール飲料は5.5%に減税されており、新聞やほとんどの薬品は2.1%となっています。

どの国がどの税率になるかを確認しているとたちまち混乱して、もう法の順守どころではなくなってしまうことでしょう。

ChannelGrabberのようなEC事業向けソフトウェアは、ここでも活躍してくれます。アカウントに商品を追加するとき、各国のVAT税率を個々に設定できますので、例えば、子ども服を追加するときに、イギリスには0%、その他の登録している国にはそれぞれの税率を登録するだけで済みます。

後はソフトウェアにお任せください!請求と報告も含めて処理しますので、こうした商品の注文を受けたときに、正確なVAT税率が適用できます。

6.ゼロレートはVATが課税されないのではない

税率が0%(VAT徴収の必要がない)の商品もありますが、VATの例外というわけではないので注意が必要です。

つまり、商品と注文をVAT記録にすべて残しておく必要があるのです。税率0%の子ども服を0%の税率で販売したとしても、この商品はVAT課税対象商品に分類されています。12か月間の基準額に計上され、無視することはできません。

また、ヨーロッパでVAT登録して事業を行っているバイヤーの中には、ゼロレートの請求書を要求するバイヤーもいるかも知れません。この場合もVAT記録には課税対象注文として記録し、税率をゼロとする必要があります。

ChannelGrabberにはすべての注文について「EU VATゼロレート」を選択できるようになっています。取引先のVAT番号を入力すると、注文に適用されて自動的に請求書が更新されます。

また、注文全体のVATの明細も確認できますので、経理とVATの還付の処理が楽になります。

7.各国間のVAT納付

EUでのVATの取扱いに関して、最後の難関はVATの納付になります。

複数の異なる国から、それぞれの期日までにVATを納付することを求められ、期日に遅れれば滞納税がかかります。

そうなると、異なる国のマーケットプレイスから1か所に代金を移動させ、VATを納付するために現地通貨に両替するという手間が生じます。

Payoneerはこういった段階で、専用のVATフルフィルメントサービスでお手伝いいたします。VATを直接、各国税務当局に代行して納付すれば、送金や両替の手数料も不要になりますし、業務の効率化も図れます。

EUのVATは複雑で、どう処理すればいいのかわからないことが少しでもあれば、すぐに税理士に相談すべきでしょう。しかしPayoneerChannelGrabberのようなソフトウェアを利用すると、EUでのVATの扱いはぐっと効率的になり、時間も費用も節約できることになります。

Dave has worked in the eCommerce industry for 4 years, gaining experience in management, finance, sales and marketing. As a seasoned Commercial Director, he is passionate about advancing the next-generation of online retail tools. In addition to ChannelGrabber, he is also involved in retail arbitrage. Outside of the office, Dave enjoys sci-fi/fantasy novels, listening to pirate metal music and binge watching Judge Judy. Seriously.

 

日本の事業者の方で、もっとVATについて知りたい方は、ぜひ以下の資料をお役立てください。

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