オンラインセラーへ5 つのホリデーマーケティングトレンドと予測
e-tailer(オンライン小売業者)にとっては、今はまさに年末商戦の真っ只中です。11月と12月の小売販売額は、昨年比で5%増加することが予想されており、ここ数年のホリデー商戦で最大の伸びとなっています。Amazonやebay等のマーケットプレイスは、その他のニッチサイトも含め、その恩恵に与ろうとする世界中の出品者に門戸を開いています。
PayoneerペイオニアCEOのScott Galit氏は、「eコマースは実店舗小売よりも速いスピードで成長しているが、マーケットプレイスはそのeコマースよりもさらに早い成長を見せている」と語っています。Amazonのプラットフォームには200万を超えるサードパーティ・セラーが登録しており、2013年第4四半期を見ると、Amazon全体の純売上高の伸びが前年比で約20％増加する一方、同期のサードパーティ・セラーの売上高は40～50％の伸びを記録しました。Payoneerペイオニアでは、6～12月期の売上が過去3年間で400％増加しており、今年はこの成長率をさらに上回ることが予想されています。また、Amazonの売上高に対する中国、韓国、日本、パキスタン、オーストラリアといった国々のインパクトはますます大きくなっており、過去12か月間で、アジア諸国に対する支払高は3倍になっています。
ホリデーシーズンは小売業者にとって一年で最も重要な時期となっていますが、以下でいくつかの成長トレンドを確認していきましょう。
- シングルズデーがゲームチェンジャーに
シングルズデー(Singles’ Day)は、ブラックフライデーやサイバーマンデーの売上記録を一気に上回り、最大のオンラインショッピングデーとなりました。今年、オンライン小売の巨人Alibabaは、2013年の57.5億ドルから93億ドルにまで売上を伸ばしています。これは何と…、前年比60%の伸びです！シングルズデーの経済的インパクトを正確に把握するための参考データとして、ComScoreのデータによると、感謝祭、ブラックフライデー、そしてサイバーマンデーのセールを全て併せたアメリカの2013年の「サイバーウィーク」の売上は29億ドルでした。今年、シングルズデーのチャンスを逃した方は、必ず2015年のToDoリストに入れておきましょう！
- 中国の消費者が持つポテンシャル
「シングルズデー」の記録的な売上は、消費者、特に中国の消費者の習慣に変化が起きていることを示しています。例えば、インターネットは、従来の小売業者のサービスが十分に行き届いていない中国の第二層および第三層の都市に住む人々を惹きつけています。オンラインショッピングはコストを大幅に低下させ、急速なペースで成長を続け、中国の将来の経済を押し上げる程の影響を与えています。中国は世界第二の経済規模を誇り、世界最大の製造基地となっており、より多くの中国人が自国で生産された商品を消費しているのが確認され始めています。
- 浪費家の不在
CFI Groupによれば、今年の買い物客は出費を抑える計画をしており、プレゼントを購入する相手もより少人数になっています。Alibabaを例にとると、シングルズデーの平均注文額はわずか33.50ドルであったことが確認できます。eMarketerは、「若年世帯の年齢層にある買い物客にとっては、割引や特典がより購買行動を規定する。セールやクーポンを一番のモチベーションとしているのは、全体では29％のみだが、25～34歳の場合はこれが40％に達する」と説明しています。買い物客が少ない予算でより賢く買い物をする傾向が続くと、彼らは割引やキャンペーンに頼るようになります。これは、e-tailerが、節約を求める買い物客を惹きつけるために、対象を絞ったキャンペーンを実施する必要があることを意味します。
- モバイルコマース = モバイルマーケットプレイス
割引や特典が一番の関心事となっている状況で、リサーチが得意な買い物客は、そのシーズンの一番のプロモーションを見つけるためにモバイル機器を駆使します。そして、お得情報を見つけるのに一番適しているのがFancy、Wanelo、Polyvore、Freshといったモバイルファーストのマーケットプレイスで、賢明なモバイルユーザーを惹きつけています。Wishは、モバイルファーストのアプリとしてデザインされており、視覚的にも魅力的で、楽しく、かつ個別化されたショッピング体験を提供するためのマッチング技術を活用しています。その結果、ユーザーのエンゲージメント率は非常に高くなっており、購入全体の約半分をリピーターの顧客が占めています。Business Insiderによれば、「2014年第2四半期、スマートフォンやタブレットを利用した購入は前年比で48%増え、約80億ドルとなりました。これは、PCベースのeコマースの3倍のスピードで、同期のモバイルコマース支出の成長速度は、2012年第1四半期以降で最大となっています。」
- 配送ネットワークの改善
オンラインでの購入を希望する人達にとっては、配送コストが悩みの種となっているようです。今年になってオンラインでの支出を減らしていると答えた消費者の半数近くが、配送コストが原因でオンラインという選択肢を諦めたことがあると語っています。Amazonのような大規模マーケットプレイスやフルフィルメントby Amazon (FBA)では、無料配送とワールドクラスのカスタマーサービスを備えた高度なフルフィルメントネットワークを提供しています。eBayは最近、実店舗を持つ小売業者から商品を調達し、ホリデーシーズン向けの当日配達サービスを提供するために、大手小売業者と提携を結んでいることを発表しました。
オンラインショッピング、そしてより広義にオンラインエンゲージメントは、オンラインの販売者にとってますます重要性が高まっています。eコマースは、本当の意味でグローバルマーケットになってきており、人々の購買パターン、エンゲージメントの選択の仕方、より高度な実用性への欲求、そして当然、モバイルフレンドリーなソリューションにも変化が見られることでしょう。あなたは、ホリデーシーズンとその後について、どのような予想をお持ちですか？