ECでは今後さらにパーソナラナイズ化やカスタマイズというニーズが求められてきます。既存の商品で自分にぴったりの商品は本当はどれなのか?既存の商品でぴったりのものがなければオーダーメイドができるのか、という問いかけが行われると考えられます。
実際の商品とネットで見た商品が違う、などの問題もARによって問題解決される可能性も秘められています。
アパレルでしたら、サイズの問題や試着後のイメージを購入前に分かりやすくなることで返品率の低減や高倍率の上昇は容易に考えられます。
ミレニアル世代がECに求めることの1つに「try before you buy(購入する前に必ず試す)」があります。この流れもARを後押ししていると考えられます。その商品を使うことでどうなるのか、自分にフィットするのかを購入前に分かりたいというニーズに応えたのがBenefitだと言えます。
Benefitではアプリで友達やフォロワーに購入前に変化を示し、意見をもらったりするインタラクティブな購買前のコミュニケーションを実現しました。コンバージョンは80%上昇し、業績にも大きなインパクトを与えるくらいになってきています。
Benefitの事例から考察を深めると、小売業がしなければいけない宿命に問いを立てなければいけません。
Benefitは購入前に自分に合った眉を提案してくれます。それに対して、自分のことを知ってくれている人がコメントしてくれます。そこで購買の意思決定をしたらいい、という流れです。
お客様は商品が欲しいのではなく、自分のなりたい姿やより良い未来が欲しいのです。それを示すことができることは、今までのように購入後にどうなるか分からないという心理的リスクや心理的コストを削減してくれます。
そればかりではなく、商品購入の意欲そのものも高めてくれる可能性もあります。自分に似合う眉が分かって、そのためにはこの商品が必要、という流れが必要なのです。自分に似合う眉が分からない上で商品を勧めるというのが間違っていた、という時代も来るかもしれません。
普通のwebさいとの中にARを埋め込めるようになっていきます。iOSもAndoroidもWebAR機能を提供しています。
ARを使うために特殊な機器を必要としたり、アプリをダウンロードしないといけないとなると、広がりは限定的になるかな、と思いますが。WebARが広がると、普通のwebサイトを見るようにARも見てくれる、ということが可能になるかもしれません。
店舗側でのオンラインとオフラインの連動というのはO2Oという文脈でよく語られますが、お客様から見たオンラインとオフラインの融合というのはARを元に再定義されていくのかもしれません。