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2020年のアメリカのイーコマースを考えるーNRF Retail's Big Showー

2020年のリテールズ・ビッグショーのECレポート

Mitsutoshi MurataMitsutoshi Murata
2020年2月20日

The NRF 2020 Retail’s Big Show@New York

2020年1月12日に米国ニューヨークでThe NRF 2020 Retail’s Big Showが開催されました。約100の国と地域から小売業界企業800社以上が集ました。世界中の小売業界関係者に新しいアイデア、展望、技術を提供する毎年注目される展示会です。
NRF2020には、出展者、業界関係者、専門家、講演者を含む約38,000人が1月12〜14日にマンハッタンのコンベンションセンターに集まったと発表されています。(参照:https://nrfbigshow.nrf.com/)

Opening keynote (基調講演)with Satya Nadella, CEO, Microsoft

“マイクロソフト社CEO Nadella氏のNRF2020オープニング基調講演から特筆したいところをまとめてみました。Nadella氏は小売業の未来とテクノロジーがどのように役立つかについての考えを共有し、小売業者にこれから必要とされることを喚起していました。
1.顧客をよりよく理解するため
2.従業員に力を与えるため
3.精確なサプライチェーンを実現するため
4.ビジネスの再考をするため”
小売業者自身がが独自のインテリジェントな小売業を可能にしていく時代がきている。それには小売業者が保つ膨大なデータをより効率的に使用して、達成していかなければならない。そしてこのデータを活用するには、小売業者は独自のテクノロジー技術を集約し構築する必要があります。
2020年は小売業者がテクノロジーに精通し、他の会社に自社の問題解決を頼るのではなく、自分たちでテクノロジーを駆使して自分たちの問題を解決できるようにならなければいけない。

EXPO

基調講演が象徴するように、まさしくNRF2020は小売業のためのTech Showでした。どのショーフロアに足を踏み入れても、NRF 2020のブースはテクノロジーに溢れていました。テクノロジーが小売体験をどのように変革するかに焦点を合わせているのかがはっきりと伺えます。
昨年のAmazon Goのように特別目立った新しい展示はなかったものの、オンラインとオフラインのデータの統合、オムニチャンネル対応へのソリューションテクノロジーに関係する展示は多くありました。
AI搭載の在庫管理ロボットやドローン、顔認識ソフトウェアを使用して、買い物客のデータ認識、分類できるカメラ、無人スマートレジでのショッピングカートに入れられた商品を追跡するためにカメラを使用するWalk Outのシステムなど、さまざまなソリューションが示されました。
ここ数年来でようやく注目された展示がRFIDタグです。ユニクロが無人レジに導入したことで実例ができ様々な応用に繋がっています。RFIDの最もメインとされる機能は無線電波を利用し、書き込まれたデーターを離れたところから一括で瞬時に読み取ることが可能です。これにより無人レジ機能はもちろん、在庫管理や棚卸での手間を大きく省くことが可能になり、工場出荷から店舗までの区間の物流管理や製品の追跡管理ができます。

SESSION

小売業のオンラインとオフラインのギャップを無くし、顧客のシームレスなショッピング体験を実現する。そのためにテクノロジーを駆使しすることは、小売業界で働く人のためにもなるという実例として、IKEAとStarbucksでの取り組みが紹介されていました。特に Starbucksの人工知能プラットフォーム「Deep Brew」とイノベーションラボ「Tryer Center」について講演がありました。
Starbucks CEO Kevin Johnsonは講演で、「機械学習と人工知能への注力の狙いは、人々が人間らしいことをする時間をより多く確保できるように支援する方法を見つけることにあり、人間をロボットで置き換えることを目指しているのではない。重要なのは、テクノロジーによってバリスタの負担を軽減し、バリスタ同士、そして、バリスタと顧客のつながりを促進することだ」と述べました。

RETAIL TOUR

b8taとShowfieldsのビジネスアイデアに注目しました。どちらも他のブランドが製品を販売するためのスペースを提供し「サービスとしての小売り(RaaS:Retail as a Service)」を体現しています。
b8ta (https://b8ta.com/)は2015年に設立され現在ドバイに1店舗、ニューヨークに3店舗を含む合計24店舗を擁します。b8taは、Retail-as-a-Serviceと呼ばれるビジネスモデルを開始し、ブランドはオンラインで簡単にサインアップして製品を店舗に配置し、ソフトウェアを使用して店舗のエクスペリエンス/パフォーマンスを管理および分析できます。デジタルブランドが実店舗への出店をより手軽に実現するための包括的なサブスクリプションモデルを提供しています。
“SHOWFIELDS(https://www.showfields.com/)は革新的な小売コンセプトであり、ブランドとコミュニティの経験を並べることで顧客の発見を促し、刺激し、未来を形作っています。ブランドと提携して、没入型のストーリーテリングのステージを作成し、成長のための新しいオフラインチャネルを提供します。
(以前に取り上げたブログ記事:https://blog.payoneer.com/ja/e-sellers-ja/trending-ja/the-rise-of-microbrand/)”
“b8taとSHOWFIELDSの両方が提供するのは、デジタル小売業者が自分の物理的な店舗を運営する必要なく物理的なオフライン店舗に参入する明確な機会です。どちらも顧客体験を改善するためにテクノロジーをより有効に活用する適切に設計されたストア環境を備えています。
つい先日 b8taの日本上陸のニュースが発表されました。(参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000053185.html)”

まとめ

NRF2020はショー全体を通して、小売業界に山積する様々な問題や苦労をテクノロジーを使って解決し進化させていくことが、これからの小売業者に求めらていることを示しています。
サービスを受ける顧客のために便利で充実した顧客体験の実現のため、同時にサービスを提供する小売業で働く人たちに快適で充実した職場体験を実現するためにテクノロジーを享受する能力を高める努力がさらに求められる流れになっていると言えるでしょう。

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