フリーランス

フリーランスビジネスをグローバル化するためのガイド

目次

はじめに 1
世界で活躍するフリーランスになること 2
グローバルなフリーランスに求められるスキル 3
米国 4
イギリス 5
インド 6
カナダ 7
オーストラリア 8
新たな市場進出のためのベストプラクティス 9
最適なフリーランス向けプラットフォームを見つける 10
サービスに見合った価格設定をする 11
ウェブサイトをローカライズする 12
ソーシャルメディアを活用する 13
報酬を受取る 14

はじめに

経験豊富なフリーランスにとって、新たな国や地域に進出することは、顧客層を広げ、ビジネスを拡大させるための有効な方法です。しかし、実行することは必ずしも簡単なことではありません。海外の取引先に自分を売り込む方法以外にも、自分のサービスが最も必要とされているマーケットプレイスを戦略的に見つける必要があります。このeBookでは、フリーランスビジネスをグローバルに展開するためのステップを紹介します。国ごとで需要が異なるスキル、新たな市場に進出するためのベストプラクティス、国際商取引の決済を処理する最適な方法などです。

世界で活躍するフリーランスになること

世界的に、フリーランスの市場は急成長しています。Oxford Internet Institute のOnline Labor Index (オンライン労働者指数) によると、2017年11月から2018年11月の間に、世界のオンライン労働者の利用が30%増加したことが分かっています。Upworkが実施した別の調査によれば、2018年第1四半期には、採用担当者の59%がすでに柔軟に働ける人材を活用しており、53%が技術のある労働者の利用を大きな課題として挙げています。

フリーランスの大半が、米国 (68%) やヨーロッパ (51%) の取引先と仕事をしていますが、その他の地域においてもフリーランスの採用が活発化しています。その他の地域には中南米とアジアが含まれ、それぞれフリーランスの取引先の21%と18%を占めています。

新たな市場へ進出しようとしているフリーランスにとって、チャンスは十分にあります。例えば、インドでは、オンラインプラットフォームで参入できるプロジェクト数は、過去1年間で18%増加しており、オーストラリアでは成長率が11.5%となっています。米国では依然として参入可能な仕事の数が最多であるものの、2017年11月の1日平均68件から2018年11月には51件に減少しています。

グローバルなフリーランスに求められるスキル

フリーランスビジネスを拡大するために最初にすべきことは、自分自身のスキルが必要とされている場所を調べ、それに合わせて自分自身を売り込むことです。

最近行なわれたUpworkの調査によると、以下に示す、最も必要とされるフリーランスのスキルのトップ10は、それぞれ前年比130%以上の需要増となっています。

  • ブロックチェーン開発者
  • TensorFlow (データフロー・プログラミングで使用される
    オープンソースソフトウェア)
  • Amazon DynamoDB (サーバーなし、バックアップを兼ねた
    スケーラブルなデータベース)
  • 吹替え
  • 字幕
  • アートディレクター
  • コンテンツ戦略
  • コンピュータビジョン工学
  • Microsoft Power BI (経営分析サービス)
  • 拡張現実

ソフトウェア開発などの技術的なスキルが最も需要が高く、2018年11月時点で求人全体の約50.6%を占め、2016年から2018年にかけて45%増加していますが、世界的に他にも多くの需要の高い職種があります。
ここでは、フリーランスに人気のある数ヵ国を指数データから詳しく見ていき、求人の多い分野を3つずつご紹介します。この情報で、どのスキルの需要がどの地域にあるのかをピンポイントで特定できます。

米国

米国には約5,700万人のフリーランスがおり、労働人口の約35%を占めています。多くの米国人にとって、フリーランスはフルタイムの仕事とは別に副業として行なうものであり、一般的に一番目の収入源ではありません。

米国で最も需要の高いフリーランスの職種は以下の通りです。

  • ソフトウェア開発・技術 (40%)
  • クリエイティブ・マルチメディア (23.4%)
  • 事務・データ入力 (14.5%)

イギリス

プラットフォーム上のプロジェクトで換算すると、ヨーロッパ諸国は世界のフリーランス市場の16%以上を占めています。世界的に見ると、イギリスは米国に次いでフリーランス人口が多く、イギリスの市場の10%を占めています。イギリスでは、フリーランスは大卒者の人気の高い選択肢となっており、29%がフリーランスをキャリア戦略のひとつだと回答しています。

イギリスで最も需要の高いフリーランスの職種は以下の通りです。

  • ソフトウェア開発・技術 (37.4%)
  • クリエイティブ・マルチメディア(22.3%)
  • 執筆・翻訳 (15%)

インド

世界のフリーランスの24%がインド在住で、同国の国内総生産に4,000億ドル寄与しています。最近の報告書では、フリーランスの占める割合はさらに拡大するだろうと指摘されています。調査に回答した2,100人以上の人事担当役員のうち、50%以上がギグ・エコノミーは少なくとも20%成長すると予測し、回答者の23%は、成長率が40%を超えるだろうとしています。

インドで最も需要の高いフリーランスの職域は以下の通りです。

  • ソフトウェア開発・技術 (53.4%)
  • クリエイティブ・マルチメディア (16.3%)
  • 執筆・翻訳 (13.4%)

インドの人事担当者を対象とした別の調査によると、フリーランスが今後最も仕事を獲得する可能性の高い5つの職種が挙げられています。

  • 深層学習・ブロックチェーンアーキテクチャ (22%)
  • ソーシャルメディア・検索エンジン最適化
  • (SEO) (16%)
  • アプリ開発 (12%)
  • コンテンツライティング・ブログ (10%)
  • 金融監査 (10%)

カナダ

カナダのフリーランスは、近年急激に増加しています。2020年には、フリーランス、独立請負業者、オンデマンド労働者の数がカナダの労働人口の45%を占めるという予測もあります。

カナダで最も需要の高いフリーランスの職種は以下の通りです。

  • ソフトウェア開発・技術 (38.3%)
  • クリエイティブ・マルチメディア (26.4%)
  • 営業・マーケティングサポート (12.3%)

オーストラリア

フリーランスは、オーストラリアの労働人口の3分の1以上を占めています。さらに、フルタイムの仕事の他に、収入を補うためにフリーランスとして働く人も相当数います。他国と同様、オーストラリアのフリーランスは、労働時間が柔軟に選べることや新しいチャンスを追求する自由があることを、オフィスで働くことをやめる理由として挙げています。

オーストラリアで最も需要の高いフリーランスの職種は以下の通りです。

  • ソフトウェア開発・技術 (37.2%)
  • クリエイティブ・マルチメディア (28%)
  • 営業・マーケティングサポート (13.2%)

新たな市場進出のためのベストプラクティス

フリーランスが活躍する機会は世界中に広がっていますが、新たな市場に進出するにはどうしたらいいのでしょうか。国や地域によってアプローチ方法は多少異なりますが、一般的には、どこで仕事を探すのかを明確にし、自分を可能な限りアピールすることが重要です。

以下の手順に従うことで、検索しやすくなります。

最適なフリーランス向けプラットフォームを見つける

新たな市場に進出する際に最初にすべきことは、ターゲットとなる取引先が一番利用しそうなプラットフォームで、自分の名前を出して、サービスを宣伝することです。できるだけ多くの人にアプローチするには、UpworkFiverrFreelancer.comPeoplePerHourなどのグローバルなフリーランス向けプラットフォームを利用するのがよいでしょう。

さらに、以下のプラットフォームを利用すると、世界の特定の市場をターゲットにできます。

ヨーロッパ

  • Twago – Twagoは、ヨーロッパのフリーランスのための大手プラットフォームであり、プログラミング、アプリ開発、デザイン、翻訳、
    コピーライティングの求人情報を提供しています。
  • Domestika – Domestikaはスペイン語圏のコミュニティで、クリエイターは、自らのプロジェクトの共有、フォーラムへの参加・学習での貢献、他のクリエイターとの交流、仕事探しができます。
  • Uplink – Uplinkは、ドイツの企業とフリーランス開発者をつなぐフリーランス向けプラットフォームです。

インド

  • Broxer – Broxerはインドのフリーランス向けプラットフォームで、過剰な仲介手数料や事務手数料なしでフリーランスと企業をつなぎます。
  • Freelanceindia – Freelanceindiaは、無料会員と有料会員どちらも用意されており、フリーランスはインド国内のみならず国外でも仕事を探せます。
  • Worknhire – Worknhireは、IT、デザイン、データ入力、営業・マーケティング、カスタマーサービス、会計など、あらゆる職種のフリーランス向けのインドのポータルサイトです。

オーストラリア・ニュージーランド

  • OzLance – OzLanceは、オーストラリアとニュージーランドの企業と、フリーランスのライター、翻訳者、アプリ開発者、プログラマー、ネットワーク管理者、ウェブ開発者、デザイナーとをつなぐためのポータルサイトです。
  • Yudoozy – Yudoozyは、フリーランスと、ニュージーランド国内の雇用主をつなぐ無料サービスです。

サービスに見合った価格設定をする

新たな市場に進出する際、サービスを適切に価格設定するのは難しいものです。当然ながら、価格を大幅に下げることは避けなければなりませんが、結局のところ、生きていかなくてはいけないので、通常のサービス価格が他の市場では適用されないことがあることを理解しておく必要があります。

それぞれの国でさまざまなサービスがどのような価格で提供されているかを知るには、オンラインであれ対面であれ、コミュニティグループに参加するのが一番です。そうすればメンバーが国内のマーケットプレイスでどういった仕組みになっているかを教えてくれるでしょう。

最後に、価格は通常、取引先の所在地ではなく、職種に応じて設定されることを覚えておきましょう。経験豊富なフリーランスでしたら、ニッチな分野で競争力のある価格を設定している場合は、価格体系を大幅に変更しないことが最善です。フリーランスの職種別1時間当たりの請求額については、以下の表をご覧ください。

 

ウェブサイトをローカライズする

どの国をターゲットにするかを決定したら、ウェブサイトやブログなどのマーケティング関連の資料をローカライズしましょう。以下のように、方法はいくつもあります。

  • コンテンツのローカライズ – ブログやサイトコピーなど、ターゲットとする市場に合わせたコンテンツをウェブサイトに掲載することは、見込み客にその国の背景・文化を理解していることを示すのに最適な方法です。
  • サイトの再設計 – ターゲットとしている市場に合わせた新しいサイトデザインも、サービスに対する信頼性を持たせる点において最適な方法です。
  • サイトの翻訳 – ウェブサイトを翻訳することは、見込み客にアプローチする有効な方法ですが、文法ミスやスペルミスはブランドの印象を悪化させるので、プロの翻訳者を活用するようにしましょう。また、ユーザーの混乱を避けるため、対応言語も必ず記載しましょう。

ソーシャルメディアを活用する

ソーシャルメディアは、サービスをローカライズするのに有効な手段です。さまざまなソーシャルメディアアカウントを作成し、可能であればターゲット国の言語で投稿することを検討してみましょう。例えば、LinkedInのプロフィールを最適化し、これまで働いたことのある国や話せる言語などを目立たせれば、新たなマーケットプレイスに進出する用意があることをアピールできます。

さらに、ターゲットとする国のさまざまなソーシャルメディアグループに参加するのもよいでしょう。ソーシャルグループは、以下の点において優れています。

  • 自分を売り込む方法を学ぶ – さまざまな国で自分を売り込むのは難しいことです。ターゲットとする国の取引先は
    公式または非公式のマーケティング戦略に応えてくれるか?見込み客へアプローチするのに他の方法はあるか?こういった疑問は、ターゲットとしているマーケットプレイスの国の人が答えてくれるでしょう。
  • ネットワーク拡大 – ターゲット国にいるフリーランスとの関係を構築することは、その国の市場についてより多くのことを学ぶにはぴったりの方法です。
  • 新規顧客開拓 – 同業者とネットワークを広げると、新たなマーケットプレイスで、あなたの名前とブランドを知ってもらえ、見込み客の紹介をしてもらえるかもしれません。

 

Payoneerで報酬を受取る

Payoneerを利用すると、Upwork、Appen、Native Camp、ITALKI、Gengo、Udemy、Patreon、Hakuna、BIGO Live、Getty Images、Shutterstockなど多くのプラットフォームからの報酬をスムーズに受取ることができます。この機会に、海外の大手サービスを利用してみませんか。

  • マーケットプレイスからの報酬の受取り – Payoneerは、世界の主要な大手フリーランス向け業務マッチングサービスとPayoneerユーザーを結びつけ、報酬を受け取ることができます。
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