欧州のパートナー企業に聞く!2022年のEC業界のトレンドと今後の動向とは?
はじめに
2021年も大変な年でした。落ち着きを取り戻してきたと思ったところに、また次々と困難なことが起きました。世界中のEコマースセラーにとって、サプライチェーンやラストマイル配送業者などを巻き込んだ、さまざまな混乱が発生しました。
この一年をより深く理解し、そこに意味を見出し、可能な限り多くの教訓を得るために、非常に近しいヨーロッパのパートナーの方々から、最近のトレンドと2022年末までに予想されることについてお話を伺いましたので、ご紹介させていただきます。
2021年の振り返り
2021年は、エフォートレス・エコノミーの台頭で体現されたEコマースがさらに進化しました。Linnworksが行なった、エフォートレス・エコノミーに関する調査によると、46%の小売業者が、自身の小売業者を選択する際に、価格よりも利便性を優先していることが分かりました。
つまり、消費者はどこにいても、Eコマースをいつでも利用できる状態にあるということです。消費者は今や家から出ずとも、商品やサービスを購入することができるのです。その結果、ブランドや小売業者は、収益を維持するために、お客様がどこにいてもいつでも買い物ができるような販売形態に移行しました。言い換えれば、従来の物理的な実店舗のみならず、ソーシャルメディア・チャネル、ウェブサイト、マーケットプレイスを通じてお客様へリーチするということです。
しかし、エフォートレス・エコノミーの台頭は、Eコマースの進化のほんの一面に過ぎません。ブランドは、デジタルチャネルへの投資をより大きく、より深くすることで、この新しい世界でつながりを保つために変化していかなければなりません。私たちは、ブランドや小売業者は3つの分野に投資すると見ています。ブランド構築、マルチチャネルでの流通、オペレーションによる総合的なEコマース管理の確立の3つです。それは、シームレスに、かつ同時にEコマースチャネルをつなげるためです。
アグリゲーターの出現
昨年のこの時期は、Amazon FBA事業者の買収を積極的に検討していた、アグリゲーターやプライベートエクイティ・ハウスはほんの一握りでした。それから12ヵ月、今では50を超えるほどになっています。
この業界が、投資先として非常に魅力的であることが早くも証明されたのです。この一年間に、Amazon FBAのブランドを買収するために、100億ドルという驚くべき資金が集められました。実際、アグリゲーターや資本がこの分野に参入してきたことは、セラーにとっては朗報でした。それまで一番良いとされたエグジット方法は、FBAマーケットプレイス経由でしたが、年間純利益の2倍~2.5倍で売却される事業者が珍しくありませんでした。
現在、業界へのあらゆる資本流入の中で、FBA事業者の需要が高まっていることから、売却価格は平均4倍まで上昇しています。これにより、セラーのFBA事業者に対する見方が変化しました。以前は副業やもうひとつの収入源として考えていたセラーの多くも、今では人生を変えるイグジットのチャンスとして捉えています。
サプライチェーン
需要の高まりは、セラーにとって非常に期待が膨らむことではありますが、今年がFBAビジネスオーナーにとって、楽しいことばかりだったとは言えません。Amazonでのサプライチェーンや物流の管理は、これまでと同様に大変な作業だったからです。在庫保管制限の導入、中国メーカーへの需要過多、スエズ運河封鎖事故、イギリスのEU離脱、パンデミック・・・など、挙げればキリがないほど、Amazonビジネスを行う上で最も困難な状況となりました。
その結果、Amazonセラーは、高度な在庫管理システムを使用し、注文に対する時間的余裕を確保し、サードパーティによる物流ソリューションを導入するなど、サプライチェーンの手順を万全にすることが不可欠となっています。私たちは、このような外的要因から影響を受けたことで、製造から保管にわたる在庫手続きを管理したり、Amazonによる在庫保管制限を効率的に管理するための複合的な予測ソフトを開発したりして、一企業としてカスタマイズされたソリューションを開発する機会に利用したのです。
キャッシュフローは、これまで以上に重要
サプライチェーンとキャッシュフローは表裏一体であるため、すでにパズルの重要な1ピースとなっているキャッシュフローは、Amazonビジネスの構造において、間違いなく最も重要な要因へと成り上がったのです。
キャッシュフロー計画を綿密に立てられなければ必ず失敗するということが、この一年間で明らかになりました。支出、広告費、再注文コスト、適用されるVAT (付加価値税)、そしてすべての固定費を予測できるか否かが、数百万ドル規模のAmazon事業者になるか、倒産する事業者になるかの分かれ道となります。
特にAmazonにおいて、FBAビジネスの収益性を把握するのは困難です。しかし、学ぶということが大事です。例えば、事業が急速に拡大していれば、理論上は年間を通じて収益が上がるはずです。が、最終的には銀行にある預金残高が開始時よりも少なくなっていることがあります。そのため、事業を継続的に拡大するための方法を学び、少なくとも、より多くの資金が必要になることを予測することが必要とされ、そのための資金調達を必要に応じて手配することが重要となります。
eVenturing社リード・ポートフォリオ・マネージャーTom Bryant氏
HUBOO
(Hubooは、セラーが現在のトレンドに対応するのを支援するため、Payoneerユーザーに6ヵ月間無料の「ハブ」保管場所をすべての入荷向けに提供しています)。
2021年は、Eコマースにとって素晴らしい一年でした。オンラインショッピングのトレンドは衰えることを知らず、新たなプラットフォームやマーケットプレイスが出現したことで、年末までに推定21億人がオンラインで商品を購入するだろうと予測されています。
また、今年は多くの人にとって諸刃の剣のような一年でした。サプライチェーンの様々な要因が影響を受け、輸送用コンテナの移動、輸送用コンテナの生産量の減少、輸送コストの上昇、重量物運搬車のドライバー不足、人員不足が引き起こされたことで、経済的圧力が生じた「最悪の状況」と言われています。パンデミック下での店舗閉鎖やネット販売の増加により、必然的に倉庫スペースの需要が拡大し、多くのセラーが厳しい状況に陥っています。
対処方法としては、機転を利かせて行動し、機転の利くパートナーと協業することです。
従来の倉庫やフルフィルメントセンターの多くは、繁忙期の需要に対応するため、スペースや人員を別の目的に活用するという柔軟性を持ち合わせていないということが、主な課題となっています。しかし、Hubooのようなソフトウェア駆動型のフルフィルメントプロバイダーは、こうした倉庫管理や人員配置の問題を軽減するため、繁忙期のための革新的なフルフィルメントソリューションを提供しているので、小売業者による利用が増加しています。サードパーティ物流業者によるパーツ・フルフィルメントも、小売業者にとって、保管、ピッキング、梱包、配送をすべてスケーラブルに行えるという安心感があるため、ますます魅力的な選択肢となっています。
Hubbo社パートナーシップ部門マネージャーSimeon Wynn氏
グローバルEコマースの専門家たちは、2021年がEコマースにとって多くの山あり谷ありの激動の年となったのを目の当たりにしてきました。パンデミックによって生じた混乱は未だ収まることを知らず、多くの産業を一時停止状態に追い込むほどの問題となりましたが、逆にEコマースはその恩恵を受けた数少ない分野の1つでした。
数ヵ月に及んだロックダウンの影響で、イギリスやEU全域の実店舗の多くが閉鎖を余儀なくされ、人々は買い物をするのにオンラインマーケットプレイスのプラットフォームに頼らざるを得なくなりました。そのため、業界は活況を呈し、多くのクライアントが驚異的な業績を上げました。
しかし、今年、ヨーロッパのEコマースに大きな影響を与えた障害は、パンデミックだけではありません。長い交渉の末、イギリスは1月1日、ついにEU (欧州連合) から抜け出しました。EU離脱です。このため、セラーにとっては、サプライチェーン、フルフィルメントプロセス、その他に影響する新たな規則や規制が山ほどできました。イギリスはEUの単一市場および関税同盟に加盟していない状態になったため、EUとの間で輸出入を行う場合、異なる規則ができました。またその逆も然りです。また、書類作成業務や国境での税関検査が増え、EUは特定の品目の輸入に制限をかけています。
このせいで、セラーは第4四半期に向け、繁忙期用の在庫確保を間に合わせるための事前準備が必要となり、年内のスケジュールをすべて変更せざるを得なくなりました。Amazon FBAの在庫保管制限、配送遅延、税関での在庫の滞留などは、このような早期の準備が必要となった一例にすぎません。
GEE社ジェネラルマネージャーRiki Hooker氏
EUにおけるVAT (付加価値税) の立て直し
2021年、EUはEコマースに関する課税の新たな規則を導入しました。EUのVAT改革では、消費者に商品を販売する法人や、販売を促進するマーケットプレイスに新たな負担が発生しました。
この変更により、EU圏内への商品の輸入はすべてVATの課税対象となり、EU圏内での販売は買い手側の国で課税されることになり、Eコマースに携わる企業にとって新たな要件となりました。
また、EUでは、消費者への販売を報告するための新しい納税申告書、ワンストップショップ (OSS) と輸入ワンストップショップ (IOSS) が導入されました。
こういった変更は大いに頭を悩ますものとなりますが、どこにいようと、どこで販売しようと、すべてを自動化してくれるテクノロジーを利用すれば、悩む必要はありません。
Taxuallyは、実用的なチュートリアルを提供し、企業がこういった変更による影響を理解できるよう支援しており、ソリューションには新しいスキーム (OSSおよびIOSS) を導入しています。
Taxually社CEO兼共同創設者Stefan Mladenovic氏
2022年に向けて、小売業者は主に2つのことに注力する必要があります。
- お客様をどう理解するか。
- 利便性は、カスタマージャーニー全体から感じてもらうものです。小売業者は、商品発見から購入、配送、そして返品・返金に至るまで、カスタマージャーニーを全体的に調査し、不具合が生じそうな場所を見極める必要があります。カスタマージャーニーを調査する際には、お客様がどんな人で、どこで商品を見つけ、どこで購入したいと考えているのかを理解しておく必要があります。
- バックエンドをどう設定するか。
- 小売業者にとって、効率的かつ迅速に拡張できるようなテクノロジーを備えた組織を構築することはとても大事なことです。小売業者は、同時に複数のプラットフォームにログインしなくてもよいように、在庫管理や発送サービスなどのオペレーションがすべて繋がった状態になっていて、一箇所から迅速かつ効率的に注文を処理できるようにする必要があります。
お客様は、可能な限りパーソナライズされたエクスペリエンスを得ることができるようにしておくべきです。必ずしもひとつの方法がお客様すべてに有効とは限りません。その瞬間、お客様が何を求めているかということが重要です。例えば、ある商品は翌日には欲しいけれども、他の商品はもっと時間がかかっても構わないというような場合です。これはカスタマージャーニーのすべての構成要素に当てはまることで、その瞬間にお客様が何を求めているかということが重要です。販売方法だけでなく、商品面や配送面でのオプションを提供する際に、お客様にどのようにサービスを提供するかについても、マルチチャネルにすることが大切です。お客様の利便性を中心に考えられたプロセスであることが重要なのです。
Linnworks社パートナーシップ部門責任者Andrew Thompson氏
2022年の予測
- 2022年以降も、マーケットプレイスの台頭は続くでしょう。
あらゆるブランドや小売業者は、マーケットプレイスと効率的に連携するためのアプローチと方法を理解する必要があります。マーケットプレイスには多くの選択肢があるので、消費者は価格などの要素に魅力を感じています。マーケットプレイスの場合、消費者が増えればセラーも増えるという複合的なビジネスモデルになっています。DTC (直販) は依然として小売業者の戦略の中核であるべきですが、小売業者はマーケットプレイスも販売戦略に組み込む必要があります。 - 総合型マーケットプレイスの細分化。
例えば、Amazonは総合的なマーケットプレイスであり、素晴らしい仕事をしていますが、2つの分野で競争が起きています。- ソーシャルメディア・チャネル。
ソーシャル・チャネルは、ブランドがそのブランド全体を提示する場を提供してくれるので、Amazonとは異なる方法で消費者を獲得できるという、非常に魅力的なものです。 - カテゴリーに特化したマーケットプレイスは今後も台頭してくる。
これらのマーケットプレイスは、特定のカテゴリーにおいて、最終消費者により優れた購買エクスペリエンスを提供してくれます。マーケットプレイスの一番の目的は、消費者を獲得することです。マーケットプレイスが消費者を獲得し、需要を構築すれば、ブランドや小売業者はその消費者に何を売ればいいのか自然に分かるようになるというのがマーケットプレイスの考えです。また、マーケットプレイスは、ブランドや小売業者がマーケットプレイス上で独自のブランドを構築する方法についても注目しています。
- ソーシャルメディア・チャネル。
Linnworks社パートナーシップ部門責任者Andrew Thompson氏
エグジット・エコシステムの事業化
今後、Amazon FBAのような分野が出てくれば、資本力のある企業が参入してきて、Amazonで業績良好な企業を一掃する可能性はますます高まるでしょう。
来年にかけて見えてくるのは、「多数のアグリゲーター」です。従来のプライベート・エクイティ企業がこの分野に目を向けるようになってきており、こういった企業がFBA事業者ではなく、Amazonアグリゲーターを複数、買収することを視野に入れるのは自然な流れでしょう。
アグリゲーターは、確立されたプロセス、運用チーム、Amazonブランドなどを持っているため、業界に関する膨大な予備知識を持ち合わせていなくても、市場に参入するための効率的な方法を提供してくれます。Amazonで販売していた個人企業家が、運用知識のあるチームを持つ機関投資家へ転向するのが散見されるように、2022年にはエグジット・エコシステムの事業化が劇的に進むでしょう。
地理的な拡大
2020年以前は、EFN (ヨーロッパフルフィルメントネットワーク) やPan EUといった仕組みがイギリスからも利用できたため、ヨーロッパへの販売はかなり簡単なものでした。しかし、イギリスのEU離脱以降、この2つの仕組みを利用できなくなったために、セラーはドイツに直接発送しなければならなくなり、必要な税関手続きや規制にどのように対処するかを理解しておく必要性が出てきたのです。
そのため、この一年半の間に、FBAに関わるほとんどの事業者が海外市場から撤退するか、海外市場への進出を控えるかを選択しました。2022年1月にEFN (ヨーロッパフルフィルメントネットワーク) が再開され、イギリスからEUへ輸送できる運送会社が増える中、運送エリアを拡大することで付加価値を上げられれば、業界に大きな影響を与えることになるでしょう。
eVenturing社リード・ポートフォリオ・マネージャーTom Bryant氏
来年はオーダーフルフィルメントが不可欠になると思われます。どんなに魅力的なキャンペーンや割引価格を提示したとしても、購入したものをタイムリーに、確実にお客様に届けることができなければ、無駄になるでしょう。
実際のところ、配送に関しては、小売業者の多くは配送スピードが最も重要な要素であると勘違いしていますが、実際には配送の一貫性と品質が最も重要な要素なのです。調査したところ、オンラインで注文した商品が48時間以内に届くことを期待している購入者はわずか14%で、実際には、配送料を支払う必要がない限り、3営業日以内の配送に十分に満足している人が大多数であることが分かりました。
中小の小売業者は、配送スピードよりも信頼性と品質に注力する必要があります。商品は、予定された受取り時間帯に、きれいな状態で購入者にお届けしなければなりません。特に、必需品を予約して定期的に配送してもらう定期注文については、その通りだと言えます。2回目以降の注文に対しても、予定された受取り時間帯にきれいな状態で配送ができなければ、ほぼ間違いなくお客様を失うことになるでしょう。
2022年に出てくると思われるもう1つのホットトレンドは、カスタマーエクスペリエンスで、そして最も重要なのは、商品の購入だけで終わらないエクスペリエンスです。よく分かっている小売業者は、優れたカスタマーエクスペリエンスとは購入から受取りまでの一連の流れであることを知っています。見込み客が貴社の商品を初めて見聞きしたときから、注文品をきれいに梱包された状態で (そして予定通りに) 受取るまでの一連の流れということです。
お客様が「購入」ボタンを押した後、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供するには、商品が今どこにあり、いつ届くのかを明確に分かりやすく確認できることが重要です。お客様にとっては、見える化されていることがますます重要であることが分かってきました。フルフィルメントプロセスを通じて商品をトラッキングすることができると、お客様は商品が届くまで安心でき、受取るときに自宅にいてもらえます。
Hubbo社パートナーシップ部門マネージャーSimeon Wynn氏
2022年に向けて、今年お客様が直面した問題が解消され、Eコマースセラーにとって障害があまりない年になることを期待 (希望) しています。
とはいえ、AmazonをはじめとするEコマースマーケットプレイスのプラットフォームは、消費者にとって安全でより管理の行き届いた場にするため、特定の規則をより厳しくしていくでしょう。プラットフォーム側は、ある種の悪意ある戦略によってレビュー操作やランキング操作を行うことで楽に儲けようとしている違法事業者を排除しようとしています。これらの手法のせいで、サードパーティセラーは実際に苦戦を強いられており、「ブランド登録」など、利用できるAmazonの機能をすべて利用している、強いブランドを持つまっとうな事業者だけが成功を収めていることが分かります。
特に、最近大きく成長しているトレンドである、アグリゲーターによる買収を視野に入れている場合、こういったツールを使用していなければ、取り残されることになります。アグリゲーターがスケーラブルなパートナーや収益性の高いEコマースセラーに注目するとき、成功を確実なものにするためのベストプラクティスをすべて取り入れている、魅力的なブランドを探し求めています。よって、数倍もの価格での売却を希望している場合は、こういったことを検討しておく必要があります。
昨年、私たちが目にしたもう1つの大きなトレンドとして、ソーシャルコマース (ソーシャルメディアから直接購入するプロセス) が挙げられます。これは新しい年においても、ますます強いトレンドとなるでしょう。このトレンドを作り出しているのは、InstagramやTikTokのようなプラットフォームで、他のプラットフォームも、この台頭しつつある市場にチャンスを見出し、すぐに取り入れようと独自に実装していくことでしょう。
GEE社ジェネラルマネージャーRiki Hooker氏
Eコマースは日々進化しています。オンラインで買い物する人の数は20億を超えています。米国では、Amazonが有利な位置にいて、変革を先導しています。Amazonのようなマーケットプレイスは、世界に少なくとも100はあり、何十億もの取引が毎日行われていると考えられています。ほとんどのカテゴリーにおいて競争が激しくなっており、サードパーティセラーは、自社ブランドが認知されて成功を収められるように、まさに革新的になる必要があります。データ駆動型テクノロジーを活用し、顧客行動を深く分析することで、トップセラーになるチャンスをつかむことができるでしょう。
ホリデーシーズン
2021年第4四半期はこれまでとは違います。すでに、この一年でお客様の購入パターンが変化していることが分かります。顧客は2021年第2四半期まで、出費については控えめでした。しかし、現在では、消費者の支出額は増加傾向にあり、2兆5,000億ドル増と見込まれています。そのため、オンラインショップでの購買に大きな力を持っていることになります。
専門家の予測では、今年の大きなテーマはAmazon広告になるとのことで、私たちはCPC率 (クリック単価率) をとても楽しみにしています。H&H、おもちゃ、パーソナルケアなどのカテゴリーは、CPCレートが70%以上上昇し、売上が大幅に増加すると予想されています。したがって、これらの売上をさらに伸ばし、リスティングの視認性を上げるために、セラーはAmazonスポンサー広告の力を活用する必要があります。
SellerAppは、特にホリデーシーズンに、ターゲットを絞った広告の自動化、事業のモニタリングに注力することを推奨しています。
SellerApp社マーケティング&ビジネスパートナーシップ部門ディレクターPriyanka Bohra氏
2022年は、さらなる変化の年となると予想されています。各国の申請期限や基準値の変更から、特定の国同士の越境販売に関する、より具体的な規制にまで及ぶ可能性があります。
中小規模企業にとって、販売をしているすべての地域において、手作業のプロセスで、こういった新しい要件に対応しながら、コンプライアンスを維持することは、不可能ではないにしても、困難な作業となっていることが明らかになりました。
小さなミスでも財務的な影響を及ぼす可能性があるため、事業のVAT (付加価値税) や支払いについて正しく理解しておくことは非常に重要です。
これらの課題に対する答えはテクノロジーであると考えています。税務当局が税務のデジタル化に力を入れる中、国際貿易事業者にとって、コンプライアンスおよび報告手続きを自動化できる使い勝手のよいプラットフォームを利用することは不可欠です。これにより、コンプライアンスを遵守するために計画、対応、調整する時間を確保できるので、ビジネスに集中することができます。
Stefan Mladenovic, CEO and a Co-Founder at Taxually
2022年にブランドが成功するためには、何を用意しておく必要があるのでしょうか?
- 視認性と売上
ブランドの一貫性とパーソナライゼーションを通じて、消費者との信頼関係を築くことが重要です。小売業者が一貫したブランドエクスペリエンスを構築するには、さまざまな販売環境に最適化された、優れたコンテンツ作成を支援してくれるテクノロジーが必要です。つまり、様々なチャネルが同じ状態だったとしたら、ブランドエクスペリエンスはどう感じられるのか?ということです。 - 後払い決済
特に金銭的に厳しい状況と思われる今日、商品の代金を前払いすることは、消費者が商品を購入する際のハードルになりえます。一度に全額を用意するのは大変なので、支払いをある程度遅らせたいという場合もあるでしょう。 - フルフィルメント業務
小売業者にとって、適切なテクノロジーを用いて、在庫の保有方法を最適化することはとても大事です。Linnworksの調査によると、95%のお客様が、配送であれクリック&コレクト (オンラインで購入し、店舗で支払いをする) であれ、うまく対応してくれることを望んでいます。ブランドはさまざまな場所で事業を展開しながら、できる限りお客様に近いところで在庫を保管しておく必要があります。直送できるなら、在庫の保管は店舗でも倉庫でもよいでしょう。 - サステナビリティと環境への配慮
フルフィルメントに関連して、環境に配慮したエコ包装や配送サービスなど、消費者の期待に応えようと、多くのイノベーションが生まれるでしょう。
インストア・エクスペリエンスの未来
物理的な小売店は今後もあるものの、それは従来とは異なるものになるでしょう。店舗は、従来のように在庫を置いておくための場でも、すべての在庫が店頭に並べられ、お客様が商品を手にする場でもなくなると考えられます。その代わり、店舗での販売は、ブランドエクスペリエンス、カスタマーエンゲージメント、関係構築をより重視するためのものになるでしょう。
そのため、オンラインで拡大してきたDTC (直販) ブランドが地方都市や街中にある物理的な実店舗を目指すのは、ブランドをお客様の近くに置きたいという思いからです。物理的な実店舗が目指すのは、お客様にブランドのことをより深く知ってもらい、ブランドのストーリーを理解してもらうことです。そのため、インストア・エクスペリエンスは、在庫を近くに置くための場所という考えとは対照的で、ブランドをより意識したものなのです。在庫の種類や数量を、それぞれの倉庫や配送ネットワークに持たせることで、お客様はインストア・エクスペリエンスの後に、商品を早く手に入れることができるようになるのです。
Linnworks社パートナーシップ部門責任者Andrew Thompson氏
Linnworksがお客様のビジネスの成長をどのように支援しているのかご覧ください。 デモをご予約いただけます。
オンラインショッピングは間違いなく爆発的に拡大しましたが、この先もすぐに停滞するということはないでしょう。その結果、今日、ほとんどの小売業者はデジタル化に順応し、実店舗と並行してEコマースストアを運営しています。「State of Consumer Behavior 2021 report (2021年消費者行動報告書)」によると、90%の消費者はポジティブな体験をすると、同じお店を再び利用すると言われています。
そのため、小売業者は「存在意義」を維持するために、戦略を改良していく必要があります。革新的になり、お客様に特別な体験をしてもらえるようにする必要があるのです。小売業者は、もう直感に基づいて意思決定をするといったことはできません。私たちはデータに基づいて意思決定する時代に生きているからです。
幸いなことに、お客様が毎日ウェブ上で提供してくれる膨大なデータ量のおかげで、テクノロジーによってお客様をよりよく知り、データからの推奨事項をビジネスプランに反映させることができます。
H&H、おもちゃ、パーソナルケアなどのカテゴリーにおいては、顧客離脱率が70%以上減少するとともに、売上が大きく伸びることが予想されます。そのため、小売業者は、この売上をさらに伸ばし、小売ビジネスが今後も安定したものとなるように、ハイパー・パーソナライゼーションを戦略に組み込み、顧客維持のためのロイヤリティプログラムを実装する必要があります。
SellerApp社マーケティング&ビジネスパートナーシップ部門ディレクターPriyanka Bohra氏
最後に
パンデミックが世界中の多くの人々にとって収束し (と願います!)、過去2年間の需要増加を受けて、2022年はEコマースにとって実り多い年になるだろうという機運に包まれています。Payoneerは、主要な海外のマーケットプレイスからの売上金の受取りを可能にするPayoneerの複数通貨の受取りアカウントを提供することで、好機をとらえて国境を越えてビジネスを拡大しようとしているオンラインセラー様を支援することを目指しています。
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