Amazon広告の仕組みと広告を始める３つのステップ
Amazonで広告運用を開始しようとしてみたものの、その複雑さに圧倒されてどうしたらよいのか分からないという方も多いと思います。広告キャンペーン構成を考え、設定・運用しなければいけないため、始める前に途方に暮れてしまうこともあるでしょう。
ここでは、初めてAmazon PPCキャンペーンを設定する前に知っておくべきことを詳しく説明します。最も重要なエンティティ (キャンペーンや広告など) の簡単な概要の説明を行い、それらがどのように一連のAmazon PPCを構成しているのか、最も一般的なAmazon PPCアカウントの構成と、短時間でキャンペーンのメンテナンスを自動化する方法について説明します。
Amazon PPCを支える構造
まず初めに、最も重要なAmazon広告のエンティティと、それらがどのように使用されるのかを説明しましょう。 知っておくべきことは、さまざまなキャンペーンやターゲットがどのように機能するのかということです。これにより、商品を最適な場所に配置する方法を理解することができます。
Amazon PPC エンティティ階層
これらの各エンティティが、Amazonが広告主に与えるレバーです。それらをどう使用するかを決定することはすべて、ある1つのことが目標になっています。つまり、適切な価格で適切な顧客に適切な広告を表示することです。それは一言で言えば、Amazon PPC広告全体の目標です。
アカウントを設定する際に考慮すべき最も重要なエンティティは、キャンペーンとターゲティングです。パフォーマンスを分析する際に理解しておくべき最も重要なものはキーワードです。
自動キャンペーンは、キャンペーンの中で一番シンプルなタイプのものです。こちらを始めるために必要なのは、広告を出したいSKUまたはASIN、入札額、および1日あたりの予算をAmazonに知らせることだけです。あとはAmazonが残りの部分をやってくれます！
手動キャンペーンは、特定のターゲットを設定し、ターゲットごとの入札額を管理することができます。 ターゲティングの最も一般的なものは、複数の検索語 (Amazonで買い物をするときに、検索ボックスに入力するワードのこと) の組み合わせをキーワードとして設定することです。こちらを利用すると、正確な検索条件を対象にすることができますので、最も関連性が高いと思われるときにのみ、顧客に対し広告を表示させることが可能です。コツは、ターゲットとする検索語を把握し、パフォーマンスの変化に合わせて入札額を調整することです。
キーワード設定には、「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類があります。
- 部分一致とフレーズ一致のキーワードは、そのキーワードに関連する広い範囲の検索結果に広告を表示できます
- 完全一致キーワードは、そのキーワードと完全に一致する検索語に対してのみ機能します
例えば、「マジシャンのマント」という部分一致キーワードを使用した場合、顧客が「マジシャン 子供 マント」や「マント 衣装 マジシャン」などで検索したときに広告が表示される可能性があります。また、完全一致キーワードは、同等性 (例：マジシャン マントなど) と呼ばれるいくつかの例外を除いて、キーワードに入力した単語と一致する場合にのみ機能することになります。以下に簡単な参考例を示します。
自動キャンペーンは、迅速に開始でき、Amazonのアルゴリズムを利用して、商品が最も関連性が高いと考えられていることを知るには向いていますが、そのような状況を制御したり定義したりすることはできません。 部分一致とフレーズ一致のキーワードは、Amazonで顧客が商品を検索する際に使用してる検索語を導き出し、単語の組み合わせで使用すると、力を発揮します。完全一致のキーワードは、個々の検索語に焦点を当てるのに優れています。
Amazon PPCを効果的に運用するためには、これらをすべて並行して使えるようになる必要があります。
検索キーワード収集
先ほどの「マジシャンのマント」というキーワードを、部分一致に使っているとしましょう。顧客が「子供用マジシャンのマント」で検索して、あなたの商品を購入したとします。このことから「子供用マジシャンのマント」を検索した顧客は、商品を気に入ったことが分かります。
コンバージョンがうまくいったら、次に行うべきことは、「子供用マジシャンのマント」の完全一致キーワードを作ることです。これにより、部分一致のキーワードに使われる他の検索語にお金を費やすことなく、その商品を探している人全員があなたの広告を目にすることになります。これは、検索語キーワード収集と呼ばれ、効率よくAmazon PPC広告を機能アップさせる優れた方法です。
様々なキャンペーンの構成
自動キャンペーン1件 ＋ 手動キャンペーン1件
自動キャンペーンは、Amazonが検索語を見つけるのに役立ちます。自動キャンペーンを利用し、コンバージョンにつながった検索語のレポートを分析し、その検索語をヒントにマニュアルでターゲティングを作成します (状況に応じて、部分一致、フレーズ一致、または完全一致のいずれかを選択します)。結果的に、そのキャンペーンにかかるコストをより細かく管理できるようになります。
手動キャンペーンを1つしか設定しない場合、自動キャンペーンと同じような制御の問題が多い部分一致やフレーズ一致のキーワードを使用しなければならなくなったり、完全一致キーワードを使用しなければならなくなったりするため、うまくいく可能性のある新しい検索語を編み出す能力が大幅に低下します。また、同じキャンペーンに部分一致、フレーズ一致、完全一致キーワードを混在させることもできますが、その場合、どのターゲットが各検索語のトラフィックを獲得しているかを制御する能力を失うことになります。
幸いなことに、アカウントに複雑なことを仕掛ける必要はなく、両方からいいところどりをすることができます。
自動キャンペーン1件 ＋ 手動キャンペーン2件
- 広範囲の検索語を探せる自動キャンペーン
- ロングテールのリサーチのための、部分一致やフレーズ一致の検索語を使った手動キャンペーン
- 効果的だった検索語のパフォーマンスを向上させることに注力する、完全一致キーワードの詳細設定を利用した手動キャンペーン
このシンプルな構成は、Amazon PPCのためにご自身の裁量でツールを効率的に活用できる効果的な方法です。新しい検索語を優先するか、すでにパフォーマンスのよい検索語を使って効率化を図るか、各キーワードに基づいて優先順位をつけることができ、3つのキャンペーンの間で予算をシフトすることができます。
3つの簡単なステップでキャンペーンの構成を設定する方法
キャンペーンの構成を理解するために、Amazon広告ソフトウェア会社、Prestozonの広告戦略＆パートナーサポートの責任者であるDierk Demers氏に、初めてのキャンペーンの設定方法についてお話を伺いました。
“Amazon PPCを始める時には、効率化に向けて最適化するだけでなく、シンプルな構成を念頭に置くことが大切です。そのためには、Amazon PPCの概念を知っておく必要がありますが、それを簡単なステップにまとめました。”
以下にキャンペーンを設定する方法を紹介します。
- キャンペーン名を設定する
管理しやすくアカウント全体で一貫性のあるキャンペーン名を設定しましょう。先ほどの例にならうと、「マジシャンのマント」はこれらのキャンペーンに適した名前でしょう。検索やフィルタリングを容易にするために、キャンペーンの種類と目的を名前につけます。
- 広告を出したい商品を選択する
Amazonでサードパーティの出品者である場合は、広告を出したいSKUを入力します。ファーストパーティの業者である場合は、ASINを入力します。
- 予算、入札額、ターゲットを設定する
予算配分は商品のライフサイクルによって変わってきます。新商品を立ち上げる場合は、自動広告とリサーチに予算を配分する必要があります。商品が注目されるようになり、コンバージョン率の高い検索語がわかった後は、予算の大部分をパフォーマンスキャンペーンで効果的な広告を出すために費やしていきましょう。
オプションのステップ
- シードリサーチキーワードをいくつか設定する。おそらく、顧客があなたの商品を見つけるためにどのようなキーワードで検索しているかをご存じでしょう。最も一般的と思われるキーワードを、リサーチキャンペーンをスタートさせるためのシードリサーチキーワードとして設定します。最初は10個～20個からスタートするのがおすすめです。
- パフォーマンスキーワードを設定する。特定の検索語を必ずターゲットにする必要があることがあらかじめ分かっている場合は、始めからパフォーマンスキャンペーンでそれを設定することができます。
- ブランドキャンペーンを設定する。[スペシャル] タブでは、ブランドキャンペーンのパイプラインを設定することができます。ブランド名が認知されている場合は、キャンペーンレベルで分割することが重要です。これにより、ブランド検索とノーブランド検索の予算配分を制御し、各タイプの状況を簡単に分析することができます。
まとめ
この記事で紹介しているAmazonのPPC広告の概念はほんの一部に過ぎませんが、はじめからすべてを知る必要はありません。広告を活用していくためのヒントを得て、スタートに役立てていただけたらと思います。
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