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米国のクライアントに請求するためのベストプラクティス

Payoneer CommunityPayoneer Community
2023年1月23日

請求書を送るということは、まもなくお金が入ってくるということであり、スモールビジネスを持つ人にとっては嬉しいことです。しかし、海外への請求書や海外からの入金を管理することが楽しいという人はいません。たとえ、海外の取引先がいつも期限通りに全額を支払ってくれているとしてもです (ただし毎回そうなるとは限りません)。

請求書というのは、フリーランス、請負業者、Eコマースビジネスなど、あらゆるビジネスにおいて、好きでも嫌いでも、仕事の一部になっています。請求書発行のベストプラクティスに従えば、取引先にとって分かりやすい請求書が作れる上に、スムーズに支払ってもらえます。つまり、期限内に入金を受取れる可能性が高くなるのです。

米国または米国人の取引先への請求書作成方法

米国の取引先宛に請求書を発行する際、使用しなければならない特定の書式はなく、記載すべき項目の決まりもありません。ただし、取引先に期限内に支払ってもらうためには特定の情報が必要となる上、取引先自身の帳簿管理手続きに必要な詳細情報もあります。

Invoicing US or American clients

米国の取引先に請求書を発行する場合、その取引先の慣習スタイルに従うのがベストでしょう。そうすると、先方がスキャンした際に、支払うのに必要な情報を見つけやすく、つまり、より迅速に支払ってもらえるということです。

米国人または米国の取引先へ請求書を発行する際のベストプラクティスを利用すれば、先方との関係をよくすることもできます。必要な情報がすべて請求書に記載されていて、使い慣れたレイアウトにしてあると、先方にとって業務ワークフローの手間を減らすことができます。見やすく、手間のかからない請求書を送ることで、将来、再び仕事をするチャンスが高まります。

ここでは、米国の取引先に対する請求書の作成方法について、必要な情報をまとめました。

1. 正しい情報を記載

海外の取引先に請求書を送付した経験がある方なら、米国の取引先宛の請求書に何を記載すればよいかはご存じでしょう。以下に、米国宛の請求書に必要な情報を一覧にしました。

  • 法人名および法人住所
  • 取引先の法人名および法人住所
  • 取引先の配送先住所またはサービス提供先住所 (取引先の法人住所と異なる場合)
  • 請求書作成日
  • 一意の請求書番号
  • 支払い条件 (請求書受領後30日以内、分割払いは3回まで、など。通常、契約時に支払い条件について合意済み)
  • 支払い期日
  • 商品参照番号 (該当する場合)
  • 提供したサービスや送付した商品の詳細
  • 1時間あたりの料金 (サービスの場合) または商品ごとの価格 (商品の場合)
  • 作業時間または販売商品の数量
  • 米ドルでの支払い総額 (サービス・商品のラインごと)
  • 売上税またはVAT (付加価値税) の合計額 (使用した売上税率または付加価値税率を含む)
  • 米ドルでの税込支払い総額
  • 利用可能なお支払方法に関する決済情報:
    • ACH口座振替用の銀行情報
    • SWIFT電信送金用のIBANコードおよびBICコード
    • クレジットカード・デビットカード決済用のオンライン決済ソリューションへのリンク
    • 小切手の郵送先

2.米国宛の請求書の正しい書式

米国の取引先は、支払いに必要な情報を素早く見つけられたら、支払いを終わらせて次の仕事に取り掛かれると考えているでしょう。ですので、請求書を明瞭で見やすい書式にすることが重要です。

Format your US invoice

請求書の一番上に貴社のロゴを、右上隅に貴社の法人住所と日付を一緒に入れるのがベストです。また、フォームの上部に「INVOICE」と入力します。それ以外の情報は、左揃えで記載するようにします。

請求書を用意する際は、支払いや会計管理に取引先が必要とする情報のみを記載します。不要な情報を記載すると、取引先にとって邪魔になり、ノイズになるだけです。請求書作成テンプレートを使用すると、毎回正しい書式で作成することができます。

3.適切なお支払方法を提示

請求書を送る最大の目的は支払ってもらうことですから、取引先が安心できて使いやすいお支払方法を用意することが重要です。

どのようなお支払方法を選択するかは自由ですが、以下のような点を考慮しましょう。

  • 送金までの時間。入金までに長い間待たずに済みます
  • 追跡できること。貴方と取引先の双方が支払いの進捗状況をトラッキングできます
  • リーズナブルな手数料。貴方も取引先も送金に余分なコストをかけずに済みます
  • セキュリティ。支払いが正しい口座に入金されるためです

請求書で米国から支払ってもらうためのおすすめのお支払方法をご紹介します。

電信送金

Wire transfers

SWIFTのような電信送金は安全で、多くの企業にとって馴染み深いものですが、不便なところもあります。手続きに時間がかかったり、取引先が高い手数料を支払う必要があったり、フォームの記入に手間がかかります。米ドルの電信送金を、異なる通貨の国内口座で受取ろうとすると、現地通貨に両替するための手数料や為替レートが思いのほか高額なことがあります。

また、電信送金はトラッキングが困難なため、もし受取れなかった場合、その原因が突き止められない恐れもあります。請求書と入金の紐付けを行なうには多くの照合作業が必要となるため、誰が支払い、誰が支払わなかったのかが分からなくなる可能性があります。

国内銀行振込み

ACH口座振替のような国内銀行振込みは、リーズナブルな手数料で、処理が早いため、米国の企業では非常によく利用されています。しかし、これは米国の銀行口座を持っている場合のみ有効です。米国内に銀行口座を開設するのは時間がかかる上に、イライラするものです。さらに、手数料が高く、最低預金残高が必要な場合が多いので、キャッシュフローが滞ることになるでしょう。

Local bank transfers

Payoneerでは現地受取アカウントをご用意していますので、まるで米国に国内口座を持っているかのようにPayoneer米ドル受取アカウントを開設できます。一度Payoneer受取アカウントを取得すれば、米国の取引先へ国内銀行振込みで支払いをしてもらうよう依頼ができます。

クレジットカード・デビットカード

クレジットカード決済は、手続きが単純な上、トラッキングも簡単なため、帳簿や会計上の手間を省くことができます。短所としては、取引先が貴方の現地通貨で支払う場合、高い為替手数料がかかったり、米ドルの入金を両替するための手数料を支払う必要があったりするという点です。

Credit Debit card

Payoneerの支払リクエスト機能をご利用になれば、請求書をEメールに添付し、リンクを埋め込むことができるので、取引先からはクレジットカード、ACH口座振替、国内銀行振込みといった方法ですぐにオンライン決済をしてもらえます。Payoneerで必要な両替が行なえるので、リーズナブルな為替レートや手数料といったメリットを利用できます。

国際決済ソリューション

現在では、さまざまな国際商取引の決済ソリューションが用意されているので、簡単かつ低コストで事業用のデジタル決済を行なえます。その多くは、自動決済など特別なビジネスサービスを提供しています。

International Payment Solutions

例えば、Payoneerでは、国内銀行振込み、電子小切手、クレジットカード・デビットカードによる支払いで、隠れた手数料なしに米ドルでの入金を受取ることができます。入金を米ドルで保有し、税金などの現地コストの支払いやオンラインでの商品購入に使用したり、Payoneerユーザー間の支払いでご自身のPayoneer残高から他のPayoneerユーザーに支払ったり、現地通貨に両替してご利用の銀行口座宛やATMで出金したりすることが可能です。

4. 税金やVAT (付加価値税) を含める

請求書には、売上税、VAT (付加価値税)、米国所得税の源泉徴収など、取引先が支払わなければならない税金を含める必要があります。米国には国で統一されたVAT (付加価値税) はなく、各州が独自の売上税を課しているため、オンラインセラーにとっては仕組みが複雑です。

ビジネスコンサルタントやグラフィックデザイナーなど、専門のオンラインサービスプロバイダーは通常、売上税を支払う必要はありませんが、ニューメキシコ州やサウスダコタ州のように売上税を課している州もあります。各州の要件を個別に確認する必要があります。

AmazonやWalmartなどのマーケットプレイスを通じて商品を販売しているオンラインセラーが、AmazonやWalmartのフルフィルメントサービスを利用している場合は、通常、売上税を支払う必要があります。お客様の居住している州ではなく、倉庫がある州に基づいて売上税を支払うことになります。

自社のウェブサイトのオンラインストアで商品を販売する場合、売上が発生した州に応じて売上税を納める必要があります。例えば、ケンタッキー州のお客様にTシャツを販売する場合、ケンタッキー州の売上税を請求、納付する必要があります。

オンラインサービスプロバイダーやフリーランスも、米国の所得税法を遵守する必要があります。これらの法律は、米国の取引先が、貴方の収益の30%を源泉徴収し、政府に納めることを義務付けたものです。幸いなことに、居住国で所得税を納めている場合、米国の所得税は免除されます。源泉徴収免除を申請するには、フォームW8BENに入力した上で、取引先に送付する必要があります。

5. 取引先に正しい税務書類を送付

Send the right Tax Paper

米国の取引先は、毎年、(貴方のような) ベンダーからW9フォームを回収し、米国の税務当局に提出することが義務付けられています。取引先から依頼とともに白紙のW9フォームが届くまで待つことも可能ですが、依頼を待たずに送ってあげた方が、カスタマーサービスとして親切でしょう。

W9フォームは、オンラインで入手できます。年に1度だけ提出すればよいので、初回の請求書と一緒に送信すれば、取引先には対応済みだということが分かります。一度、W9フォームが提出されれば、先方にとって、再び貴方と仕事をする正当な理由となります。なぜなら、別の人に依頼するとなると、新たにW9フォームの提出が必要となるからです。Payoneerの支払リクエストサービスをご利用になれば、請求書と一緒にW9フォームを添付することができます。

6. オンラインインボイスビルダーで時短

米国の取引先へ請求する際は、請求書を分かりやすくレイアウトし、毎回同じテンプレートで作成すると、より効率的です。Excelの請求書テンプレートを自作したり、インターネットから無料でダウンロードしたりすることもできますが、オンラインインボイスビルダーを使用すると、米国の取引先にプロフェッショナルらしく素晴らしい国際請求書を簡単かつ迅速に作成できます。

Use Online Invoice Builders

7. 電子請求書の利用

電子請求書 (e-invoicing) とは、XMLやEDIなどのデータファイルとして、請求書を完全に電子化して送信するデジタルな方法です。電子請求書は紛失の心配がなく、システムがデータベースから情報を取得して自動入力するため、通常の請求書よりも短時間で作成できます。

電子請求書は、米国の取引先にとっても便利なのです。多くの企業では、自動化されたデジタル請求書システムを導入しており、紙の請求書やPDFの添付ファイルよりもはるかに速く電子請求書をスキャンし、該当の部署に情報を共有することが可能です。

電子請求書には「今すぐ支払う」ボタンを配置することが可能なので、クレジットカードやデビットカード、ACH口座振替のための安全な決済ページに直接移動できます。電子請求書の中には、モバイル決済に対応したものもあります。

米国の取引先へ請求書を発行する際に役立つその他のヒントとベストプラクティス

ここでは、米国の取引先へ請求書を発行するときのヒントをご紹介します。

  • 米国の取引先は米ドルで支払いたいと考えています。何らかの理由で米ドル建てで請求しない場合は、請求書上にて支払い通貨を明確にする必要があります。
  • もし、用意した請求書が米国の取引先にとって適切かどうか不明な場合は、取引先に請求書の下書きを送り、変更すべき点があれば教えてもらうとよいでしょう。請求書が正確でない場合には支払いが遅延することになるので、長い目で見れば時間の短縮になります。
  • 請求書にどう番号を付けるかは自由ですが、請求書には一意の請求書番号をつけるようにしましょう。
  • 請求書に測定単位を記載する場合は、インチ、フィート、ヤード、ポンドおよびオンス、ガロンおよびクオートといった米国の単位を使用するようにしましょう。例えば、布地を売る場合、メートルあたりのドル価格ではなく、ヤードあたりのドル価格を表示します。
  • 毎回、請求書のコピーを取っておき、入金されたらすぐに支払い済みの印をつけておけば、帳簿上の管理を万全にしておくことができます。

Payoneerは、米国または米国人の取引先への請求書作成を支援しています

請求書の作成は手間がかかるように思えますが、収益が入ってきて、利益が増え始めれば、やるだけの価値はあると分かるでしょう。Payoneerでは、適切なお支払方法の提示、W9フォームの添付、分かりやすい書式の請求書の作成を容易にすることで、米国や米国人の取引先に請求書を発行する際のベストプラクティスにならい、米国の取引先に喜んでもらいながら、ビジネスを成長させるお手伝いをさせていただきます。

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